
AI音声生成は、入力した文章から人が話しているような音声を作ったり、自分の声に似た音声を生成したりできる技術です。
動画のナレーションや音声コンテンツなどにも活用でき、無料で試せるサービスも登場しています。
一方で、「声優や有名人の声をAIで作っても大丈夫?」「自分の声なら自由に使える?」「AI音声に著作権はある?」など、権利について気になる方もいるでしょう。
特に、実在する人物の声に似せたAI音声については、著作権だけで判断できるものではありません。声優や俳優などの声をAIで生成・利用することについて、国でも法的な整理や検討が進められています。
この記事では、AI音声生成とはどのようなものなのか、無料で利用できるのか、自分の声を生成する方法などを初心者向けに解説します。
声優や有名人の声をAIで生成するときの注意点や、著作権などの権利についてもわかりやすく紹介します。
AI音声生成とは?
AI音声生成とは、AI(人工知能)を使って人の声のような音声を作り出す技術のことです。
文章を入力すると自然な声で読み上げてくれるものだけでなく、特定の声の特徴を再現したり、自分の声に似た音声を作ったりする技術もあります。
以前から文章を機械音声で読み上げる「音声合成」はありましたが、AI技術の発達によって、話す速さやイントネーション、声色などをより自然に表現できるサービスが増えてきました。
動画のナレーションや案内音声、教材、ゲームなど、さまざまな用途で活用されています。

AI音声生成を簡単にいうと?
AI音声生成を簡単にいうと、「人が実際に話さなくても、AIに声を作ってもらえる技術」です。
たとえば、
・「今日は天気がいいですね」と文章を入力する
↓
・AIが文章を解析する
↓
・人が話しているような音声を生成する
といった使い方ができます。
文化庁の資料でも、音声の生成AIについて、自然言語のテキストを入力して音声を出力する仕組みが示されています。
最近では単に文章を読み上げるだけでなく、声の高さや話し方、感情などを調整できるサービスもあります。
AI音声生成でできること
AI音声生成でできることは、利用するサービスによって異なります。
代表的なものには、次のようなものがあります。
| できること | 内容 |
|---|---|
| 文章の読み上げ | 入力した文章をAI音声で読み上げる |
| ナレーション作成 | 動画などに使用する音声を作る |
| 声質の変更 | 年齢や雰囲気などが異なる声を選ぶ |
| 多言語音声の生成 | 日本語以外の言語で音声を作る |
| 自分の声の再現 | 自分の声をもとに似た音声を生成する |
| ボイスクローン | 特定の人の声の特徴を再現する |
なかでも注目されているのが「ボイスクローン」です。
自分の声をAIに学習させておけば、毎回自分で録音しなくても、自分に似た声で文章を読み上げさせられるサービスがあります。
便利な一方、他人の声、とくに声優や俳優、歌手などの声を本人の許可なく再現する行為については、権利上の問題が生じる可能性があります。
そのため、AI音声生成では「どれだけ本物らしい声を作れるか」だけでなく、「その声を使ってよいのか」も考える必要があります。
音声読み上げ・ボイスチェンジャーとの違い
AI音声生成と混同しやすいものに「音声読み上げ」と「ボイスチェンジャー」があります。
大まかな違いは次のとおりです。
| 種類 | 入力するもの | 主な用途 |
|---|---|---|
| AI音声生成 | 文章・音声など | 新しい音声を生成する |
| 音声読み上げ | 文章 | 文章を音声として読み上げる |
| ボイスチェンジャー | 人が話した声 | 声質を別の声へ変える |
たとえば、文章を入力してナレーションを作る場合は音声生成・音声合成にあたります。
一方、自分がマイクに向かって話した声をリアルタイムで高い声や低い声などに変えるのが、一般的なボイスチェンジャーです。
文化庁の資料でも、音声生成AIとボイスチェンジャーについて、前者は自然言語テキストを入力して音声を出力するのに対し、後者は人間の声を入力するという違いが示されています。
ただし、現在ではAIを利用したボイスチェンジャーも登場しているため、両者の境界は以前より曖昧になっています。
「文章から声を作る」「自分の声を別の声に変える」「特定の声を再現する」など、AIを使った音声技術にはさまざまな種類があると覚えておくとよいでしょう。
AI音声生成にはどんな種類がある?
AI音声生成といっても、すべて同じ仕組みではありません。
文章を入力してナレーションを作るもの、自分の声を再現するもの、話した声を別の声に変えるものなど、目的によっていくつかの種類があります。
主な違いを整理すると、次のようになります。
| 種類 | 主な入力 | できること |
|---|---|---|
| テキストから音声を生成 | 文章 | AIに文章を読み上げてもらう |
| 自分の声をAIで再現 | 自分の音声 | 自分に似た声で文章を読み上げる |
| 声を別の声に変換 | 話した音声 | 声質や話し方を変える |
| AI歌声生成 | 歌詞・メロディー・音声など | AIによる歌声を作る |

それぞれ詳しく見ていきましょう。
テキストから音声を生成する
もっともイメージしやすいのが、入力した文章をAIに読み上げてもらう方法です。
たとえば、
「本日は動画をご覧いただきありがとうございます」
と入力すると、その文章を人が話しているような音声に変換できます。
自分でマイクに向かって録音する必要がないため、YouTubeなどの動画ナレーション、商品やサービスの説明、教材、案内音声などにも活用できます。
サービスによっては、男性・女性といった声の違いだけでなく、話す速さや声の高さ、感情、イントネーションなどを調整できます。
無料で試せるAI音声生成サービスもありますが、利用できる文字数や音声の種類、ダウンロード、商用利用などに制限が設けられている場合があります。
自分の声をAIに学習させる
AI音声生成では、自分の声をもとにした音声を作ることもできます。
一般に「ボイスクローン」「音声クローン」などと呼ばれる技術です。
サービスによって方法は異なりますが、自分の声を録音してAIに読み込ませることで、その声の特徴を反映した音声モデルを作成します。
作成後は文章を入力するだけで、自分が実際に録音していない文章でも、自分に似た声で読み上げさせることができます。
たとえば、
・動画のナレーションを作る
・音声コンテンツを作る
・毎回の録音作業を減らす
・複数の言語で自分に似た声を使う
といった活用方法があります。
ただし、自分の声をサービス側へ登録する場合は、音声データがどのように保存・利用されるのかも確認しておきたいポイントです。
利用規約やプライバシーポリシーを確認し、音声データの取り扱いに納得したうえで利用するとよいでしょう。
声を別の声に変換する
自分が話した音声を、AIを使って別の声に変換する技術もあります。
従来のボイスチェンジャーでは、声の高さなどを加工する方法が中心でした。
AIを利用したものでは、声の特徴を分析して別の声質へ変換するなど、より自然な音声を作れる場合があります。
ゲームのボイスチャットや動画制作、ライブ配信など、さまざまな場面で利用されています。
ただし、「別の声に変換できる」ことと「誰の声にでも自由に変換してよい」ことは別問題です。
実在する声優や俳優、歌手、有名人などの声を本人の許可なく再現して公開・利用すると、著作権以外の権利を含めて問題になる可能性があります。
特定の人物の声を再現する場合は、技術的に可能かどうかだけでなく、その声を利用する権利があるかを確認することが重要です。
歌声をAIで生成する
AI音声生成は、話し声だけでなく歌声にも利用されています。
AI歌声生成では、歌詞やメロディーなどをもとに歌声を生成したり、入力した歌声を別の声質に変換したりできます。
そのため、
「AIにオリジナル曲を歌わせる」
といった使い方も可能になっています。
一方で、既存の楽曲を使用する場合は、声だけを考えればよいわけではありません。
歌詞や楽曲には著作権があり、既存の音源を利用すればレコード製作者などの権利が関係することもあります。また、実在する歌手などに似せたAI歌声を利用する場合には、その人物の声に関する権利についても考える必要があります。
AIで作った音声だから、何でも自由に使えるわけではない点には注意しましょう。
AI音声生成を利用するときは、「何をAIに入力するのか」「どのような声を作るのか」「生成した音声をどこで使うのか」の3点を確認することが大切です。
AI音声生成は無料で使える?
AI音声生成には、無料で利用できるサービスや、無料プラン・無料体験が用意されているサービスがあります。
「まずAI音声がどのようなものか試してみたい」「短いナレーションを作ってみたい」といった用途であれば、無料でも利用できる場合があります。
ただし、無料だからといって、すべての機能を自由に使えるとは限りません。
利用できる文字数や音声の種類、生成回数などに制限が設けられていることもあります。
また、特に注意したいのが商用利用です。
無料で音声を生成できても、その音声を広告や収益化した動画、商品・サービスなどに利用できるとは限りません。
無料で利用できるサービスもある
AI音声生成サービスには、大きく分けると次のような料金体系があります。
| 料金体系 | 特徴 |
|---|---|
| 完全無料 | 基本機能を無料で利用できる |
| 無料プラン | 一定の文字数や機能まで無料 |
| 無料体験 | 一定期間や一定量のみ無料 |
| 有料プラン | 月額・年額・従量課金などで利用する |
無料プランでは、文章を入力してAI音声を生成したり、複数の声から好みのものを選んだりできるサービスがあります。
そのため、最初から有料サービスを契約する必要はありません。
まず無料で試して、
・日本語が自然に聞こえるか
・好みの声があるか
・操作しやすいか
・必要な長さの音声を作れるか
などを確認してから、有料プランを検討する方法もあります。
なお、無料で利用できる範囲や料金プランは変更されることがあります。
利用するときは、それぞれのサービスの公式サイトで最新情報を確認してください。
無料版と有料版の主な違い
無料版と有料版では、生成できる音声の量だけでなく、利用できる機能にも違いがある場合があります。
代表的な違いは次のとおりです。
| 比較項目 | 無料版 | 有料版 |
|---|---|---|
| 生成できる文字数・時間 | 制限されることが多い | 上限が多い傾向 |
| 選べる声 | 一部のみの場合がある | 選択肢が増える場合がある |
| 音声品質 | 制限される場合がある | 高品質な音声を選べる場合がある |
| ボイスクローン | 利用不可・制限ありの場合がある | 利用できる場合がある |
| 音声ファイルの出力 | 制限される場合がある | 選択肢が増える場合がある |
| 商用利用 | 条件付き・不可の場合がある | 認められるプランもある |

ただし、これは一般的な傾向です。
「有料版なら必ず商用利用できる」「無料版では商用利用できない」と決まっているわけではありません。
サービスやプランごとに利用条件が異なるため、実際の規約を確認する必要があります。
無料でも商用利用できるとは限らない
AI音声生成をブログやYouTube、仕事などに利用する場合は、商用利用の条件を確認しておきましょう。
特に、
・収益化しているYouTube動画
・企業や商品のPR動画
・広告
・有料教材
・ゲームやアプリ
・販売する音声コンテンツ
などに使用する場合は注意が必要です。
サービスによっては無料プランでの商用利用を制限していたり、商用利用には有料プランへの加入やクレジット表記を求めたりすることがあります。
また、AI音声生成サービス自体が商用利用を認めていても、使用する音声モデルやキャラクターなどに別の利用条件が設定されている場合もあります。
「無料で生成できたから自由に使える」と考えるのではなく、利用規約やライセンスを確認することが大切です。
とくにYouTubeなどで収益化を考えている場合は、音声を作る前に商用利用の条件を確認しておくと安心です。
AI音声生成サービスの選び方
AI音声生成サービスは数多くあり、「どれを選べばよいのかわからない」という方もいるでしょう。
インターネットで検索すると、AI音声生成サービスをランキング形式で紹介しているサイトも見つかります。
ただし、AI音声生成は利用する目的によって適したサービスが異なります。
無料で試したい人と、自分の声をAIで再現したい人、YouTubeのナレーションとして商用利用したい人では、重視すべきポイントが違います。
ランキングの順位だけで判断するのではなく、次のような項目を比較して選ぶとよいでしょう。
| 比較するポイント | 確認したいこと |
|---|---|
| 料金 | 無料でどこまで利用できるか |
| 日本語音声 | 自然な日本語を生成できるか |
| 声の種類 | 目的に合った声があるか |
| ボイスクローン | 自分の声を再現できるか |
| 音声出力 | 必要な形式で保存できるか |
| 商用利用 | YouTubeや仕事などに使えるか |
| 利用規約 | 禁止されている使い方はないか |

無料で試せるか
初めてAI音声生成を利用する場合は、無料プランや無料体験があるサービスから試す方法があります。
実際に音声を生成してみなければ、
「日本語が自然に聞こえるか」
「操作しやすいか」
「自分が求めている声に近いか」
といった部分は判断しにくいためです。
ただし、無料プランでは生成できる文字数や時間、選べる声などが制限されている場合があります。
無料でどこまで利用できるのかを確認したうえで試してみましょう。
日本語が自然か
日本語の自然さも重要なポイントです。
AI音声はサービスによって、アクセントやイントネーション、数字、固有名詞などの読み方に違いが出ることがあります。
文章としては正しくても、実際に聞いてみると不自然に感じることもあります。
とくに動画のナレーションなどに利用する場合は、サンプル音声だけで判断せず、可能であれば自分が使いたい文章を入力して確認するとよいでしょう。
話す速度や間の取り方、アクセントなどを調整できるかも確認しておきたいポイントです。
自分の声を生成できるか
自分の声をAIで再現したい場合は、ボイスクローンに対応しているかを確認します。
サービスによっては、自分の声を録音・登録することで、その特徴を反映したAI音声を作成できます。
ただし、必要となる録音時間や作成方法、利用できるプランなどはサービスによって異なります。
また、自分の音声データを登録することになるため、
・登録した音声がどのように保存されるか
・AIの学習などに利用されるか
・音声データを削除できるか
・第三者による不正利用への対策があるか
といった点も確認しておくとよいでしょう。
商用利用できるか
YouTubeや広告、仕事などにAI音声を利用する場合は、商用利用の条件が重要です。
「商用利用可能」と書かれていても、すべてのプランや音声が同じ条件とは限りません。
たとえば、無料プランでは個人利用のみ、有料プランでは商用利用可能といった違いが設けられている場合があります。
また、クレジット表記が必要な場合もあります。
収益化したYouTube動画などで使用する予定がある場合は、料金だけでなく商用利用の条件まで確認してからサービスを選びましょう。
音声データをダウンロードできるか
作ったAI音声を動画編集ソフトなどで利用したい場合は、音声ファイルとして保存できるかを確認します。
MP3やWAVなど、対応しているファイル形式もサービスによって異なります。
ブラウザ上で再生できるだけなのか、ファイルとしてダウンロードできるのかによっても用途が変わります。
動画制作や音声編集を考えている場合は、自分が利用しているソフトに対応した形式で出力できると便利です。
利用規約や権利関係が明確か
AI音声生成では、機能や料金だけでなく利用規約も重要な比較ポイントです。
特に確認しておきたいのは、
・生成した音声を誰が利用できるのか
・商用利用できるのか
・登録した音声データがどう扱われるのか
・他人の声を登録してよいのか
・禁止されている用途は何か
といった点です。
有名人や声優など、実在する第三者の声を無断で登録・再現する行為を禁止しているサービスもあります。
AI音声生成サービスを選ぶときは、「高性能だから」「ランキングで上位だから」という理由だけではなく、自分が予定している使い方が利用規約で認められているかまで確認することが大切です。
無料で試したいのか、自分の声を作りたいのか、動画や仕事に使いたいのかなど、まず目的を決めてから比較すると、自分に合ったAI音声生成サービスを選びやすくなります。
代表的なAI音声生成アプリ・サービス4選
AI音声生成を実際に試してみたい場合は、AI音声生成に対応したアプリやWebサービスを利用します。
現在は日本語の読み上げに強いものから、自分の声を再現できるボイスクローン、多言語に対応したものまでさまざまです。
代表的なサービスには、次のようなものがあります。
| サービス | 主な特徴 | 無料利用 | 自分の声 |
|---|---|---|---|
| VOICEVOX | 日本語の音声読み上げに使いやすい | ○ | 基本的に読み上げ用 |
| CoeFont | 多数のAI音声・自分のAI音声を作成可能 | ○ | ○ |
| ElevenLabs | 自然なAI音声・多言語に対応 | ○ | ○※有料プラン |
| Vrew | 動画編集とAI音声生成をまとめて行える | ○※ | ○ |
※無料範囲や利用できる機能は変更される場合があります。
それぞれ特徴が異なるため、「どれが1位か」というランキングだけで選ぶより、何に使いたいかで選ぶとよいでしょう。

VOICEVOX
VOICEVOXは、日本語の文章を音声に変換できる無料の音声合成ソフトです。
文章を入力してキャラクターの声で読み上げられるため、動画のナレーションなどにも利用できます。
VOICEVOXのソフトウェア自体は商用・非商用を問わず利用できます。
ただし、生成した音声を使用するときは「VOICEVOX」を利用したことが分かるクレジット表記が必要です。
また、使用するキャラクターや音声ライブラリには、それぞれ個別の利用規約があります。
「VOICEVOXが商用利用できる=すべての音声を無条件で商用利用できる」という意味ではないため、使用する音声ごとの規約も確認しましょう。
無料で日本語のAI音声・音声合成を試してみたい人にとって、選択肢の一つになります。
CoeFont
CoeFontは、多数のAI音声を利用できる音声生成サービスです。
文章を入力してAI音声で読み上げるだけでなく、自分の声を録音してオリジナルのAI音声を作る機能も用意されています。
無料プランでは、Web上で録音して自分のAI音声を作成する機能などを利用できます。
一方、無料プランは非商用利用向けです。
YouTubeの収益化動画などで商用利用する場合は、商用利用が認められているプランを選ぶ必要があります。
「自分の声をAIにしてみたい」という人にはチェックしておきたいサービスです。
ElevenLabs
ElevenLabsは、自然なAI音声生成や多言語での音声生成に対応したサービスです。
無料プランもあり、テキストから音声を生成してAI音声を試すことができます。
ただし、無料プランで生成したコンテンツには商用ライセンスが含まれておらず、公開する場合には所定の帰属表示が必要です。
有料のStarter以上では商用ライセンスが含まれ、Instant Voice Cloningを利用できます。
さらに上位プランでは、Professional Voice Cloningも利用できます。
そのため、
・自然なAIナレーションを作りたい
・外国語の音声も生成したい
・自分の声をAIで再現したい
といった用途で検討できます。
なお、ボイスクローンについては「無料プランでできる」と思い込まないよう注意しましょう。無料プランにはVoice Design用のカスタム音声枠がありますが、音声をクローンする機能はStarter以上が必要と公式ドキュメントで案内されています。
Vrew
Vrewは、AIを活用した動画編集サービスです。
動画編集とAI音声生成を一つのサービスで行えるのが特徴で、入力した文章からAI音声を作成して動画のナレーションとして使用できます。
さらに、自分の音声をもとにした「AI私の声」という機能も用意されています。
AI音声だけを作るというより、
「YouTube動画を作りながらナレーションもAIで作りたい」
という人に向いています。
Vrewの利用規約では、AI機能によって生成されたオーディオファイルなどについて、商業・非商業目的で利用できることが示されています。
ただし、第三者の著作権や肖像権などを侵害するコンテンツを作ってよいという意味ではありません。
利用するときは、使用する素材や音声についても権利を確認しましょう。
目的に合わせてAI音声生成サービスを選ぼう
代表的なAI音声生成サービスにも、それぞれ得意なことがあります。
選び方の目安をまとめると、次のようになります。
| 目的 | 選択肢 |
|---|---|
| 無料で日本語音声を試したい | VOICEVOX |
| 自分の声をAI化してみたい | CoeFont |
| 自然な音声や多言語を重視したい | ElevenLabs |
| YouTubeなどの動画制作にも使いたい | Vrew |
これは性能を順位付けしたランキングではなく、機能や用途から見た選び方の目安です。
同じサービスでも、無料プランと有料プランでは商用利用やボイスクローンなどの条件が異なる場合があります。
特にYouTubeの収益化動画や仕事で使用するときは、「無料で使えるか」だけで判断せず、商用利用の条件まで確認してから利用しましょう。
料金や無料枠、利用できる機能、利用規約は変更されることがあります。実際に利用するときは、各サービスの公式サイトで最新情報を確認してください。
自分の声をAIで生成することはできる?
AI音声生成サービスのなかには、自分の声をもとにAI音声を作れるものがあります。
自分の声を録音して登録すると、その声の特徴をAIが分析し、本人に似た声で別の文章を読み上げられるようにする技術です。
一般に「ボイスクローン」「音声クローン」「AIボイスクローン」などと呼ばれています。
たとえば、自分で
「今日はAI音声生成について紹介します」
と録音していなくても、作成した自分のAI音声に文章を入力することで、自分が話しているような音声を生成できる場合があります。
動画のナレーションなどを毎回録音する手間を減らせるのが大きなメリットです。
AIボイスクローンとは?
AIボイスクローンとは、人の声の特徴をAIで再現する技術です。
録音した音声から声質や話し方などの特徴を分析し、それをもとに新しい音声を生成します。
利用するサービスによって必要な音声データの量や作成方法は異なります。
短い音声サンプルから作成できるサービスもあれば、指定された文章を複数読み上げて登録するものもあります。
大まかな流れは次のようになります。
自分の声を録音する
↓
AI音声生成サービスへ登録する
↓
AIが声の特徴を分析する
↓
自分の声をもとにした音声モデルを作る
↓
文章を入力する
↓
自分に似たAI音声が生成される
ただし、AIによる再現なので、必ず本人とまったく同じ声になるわけではありません。
サービスや録音環境、入力した音声などによって仕上がりは異なります。

自分の声を登録してAI音声を作る
自分の声をAI化する基本的な流れは、それほど難しくありません。
一般的には次のように進めます。
- ボイスクローンに対応したAI音声生成サービスを選ぶ
- 自分の声を録音する
- 録音した音声をサービスへ登録する
- AIによる音声モデルを作成する
- 読ませたい文章を入力する
- 生成された音声を確認する
サービスによっては、声の登録時に本人確認や同意確認が求められる場合があります。
これは、第三者が他人の声を勝手に登録してAI音声を作るといった不正利用を防ぐためでもあります。
また、録音するときは周囲の雑音が少ない環境を選ぶことも大切です。
テレビの音やほかの人の声などが入り込むと、AIが声の特徴を正確に捉えにくくなる場合があります。
自分の声をAI化するときの注意点
「自分の声なら問題なく使える」と考えがちですが、AI音声生成サービスへ声を登録するときには確認しておきたいことがあります。
特に重要なのが音声データの取り扱いです。
利用する前に、
・登録した音声はどこに保存されるのか
・サービス改善やAI学習に利用されるのか
・第三者と共有される可能性があるのか
・作成した音声モデルを削除できるのか
・退会後に音声データがどう扱われるのか
などを利用規約やプライバシーポリシーで確認しておきましょう。
声は、その人を識別する手掛かりにもなり得る情報です。
一度作成したAI音声が第三者に渡れば、自分が実際には話していない内容を、自分が話したように聞かせることも技術的には可能になります。
そのため、作成した音声モデルやアカウントの管理にも注意が必要です。
パスワードを使い回さない、二段階認証などが利用できる場合は設定するといった基本的なセキュリティ対策もしておくとよいでしょう。
また、家族や友人などの声を使う場合は「知っている人だから大丈夫」と考えず、本人の同意を得ることが大切です。
自分の声をAIで再現できる技術は便利ですが、「声を作れること」と「その声を自由に利用できること」は分けて考える必要があります。
声優の声をAIで生成しても大丈夫?
AI音声生成の技術が進歩したことで、実在する声優に似た声をAIで作ることも技術的には可能になっています。
しかし、「AIで作れるから自由に使ってよい」というわけではありません。
特に注意したいのが、
「声そのものに著作権はあるのか」
「声優が演じた音声にはどのような権利があるのか」
「本人そっくりのAI音声を公開してもよいのか」
という違いです。
AIで声優に似た声を生成・利用する問題は、著作権だけでは判断できません。

声そのものと著作権の関係
まず知っておきたいのは、「人の声そのもの」と「その声で表現されたもの」は分けて考える必要があるということです。
文化庁では、生成AIによる声優を模した声について検討を行い、「声そのもの」に著作権法上の権利が及ぶわけではないことを確認しています。
つまり、
「声優の声に似ている=それだけで著作権侵害」
と単純に判断できるものではありません。
ただし、ここで「声には著作権がないから、誰の声でも自由にAIで再現できる」と考えるのは注意が必要です。
声優が実際に演じたセリフや収録された音声などを利用する場合には、著作権とは別に「著作隣接権」が関係することがあります。
さらに、実在する人物の声を本人の許可なくAIで再現・利用する場合には、パブリシティ権など、著作権以外の権利が問題になる可能性があります。
声優の実演には別の権利が関係する
声優や俳優、歌手などは、著作権法では「実演家」として一定の権利が認められています。
たとえば、声優がアニメのキャラクターを演じたり、俳優が作品のセリフを演じたりする行為は「実演」にあたる場合があります。
その実演を録音した音声を無断でコピーしたり、AIのために利用したりする場合には、実演家の著作隣接権などについて検討する必要があります。
ここで大切なのは、
「声そのもの」
と
「声優が行った実演」
は同じではないということです。
声そのものに著作権法上の権利が及ばないからといって、声優が実際に演じた音声まで自由に利用できるという意味ではありません。
また、アニメやゲームなどのセリフを利用する場合には、台本や作品そのものの著作権が関係する可能性もあります。
AI音声では複数の権利が関係することがあるため、「声に著作権があるか」だけで判断しないことが大切です。
声優本人に似せたAI音声にも注意が必要
もう一つ重要なのが、声優本人の声によく似たAI音声を作るケースです。
たとえば、
「○○さん風の声でナレーションを作る」
「有名声優そっくりのAI音声で動画を作る」
といった利用です。
元の録音をそのままコピーしていなくても、本人だと分かるほど声を似せて利用すれば、著作権とは別の問題が生じる可能性があります。
文化庁でも、声優を模したAI音声について、パブリシティ権や一般不法行為などによる保護の可能性があるとの意見が示されています。
さらに2026年8月には、法務省が「肖像、声等の無断利用による民事責任の在り方に関する検討会」の取りまとめ報告書を公表しました。
生成AIによる声などの無断利用について、パブリシティ権をはじめとする現在の法的な枠組みから、どのような場合に民事責任が生じ得るのかが整理されています。
AI音声を利用するときは、
「元の音声をコピーしていないから大丈夫」
「AIが生成した声だから問題ない」
とは考えないほうがよいでしょう。
特に、特定の声優本人だと分かるようなAI音声を無断で作成し、SNSや動画サイトなどで公開したり、広告や商品などに利用したりする場合は注意が必要です。
自分の声や、利用する許可を得た音声モデルなどを使うことが、AI音声生成を安全に楽しむための基本といえるでしょう。
有名人の声をAIで生成すると違法になる?
AIを使えば、俳優やタレント、歌手などの有名人に似た声を生成することも技術的には可能です。
では、有名人の声をAIで生成すると違法になるのでしょうか。
結論からいうと、「有名人に似たAI音声を作ったら必ず違法」「声には著作権がないから自由に使える」と単純に判断することはできません。
どのような音声を作ったのか、本人を特定できるほど似ているのか、どのような目的で利用したのかなどによって、関係する権利や法的な評価が変わる可能性があります。
特に注意したいのが、パブリシティ権など著作権とは異なる権利です。

「声には著作権がないから自由」とは限らない
文化庁では、著作権法は声そのものを保護しているわけではなく、声そのものには著作権法上の権利が及ばないと整理されています。
しかし、これは「有名人の声を自由にAIで再現して使ってよい」という意味ではありません。
実際に有名人が話した音声を利用する場合には、収録された内容や実演などに別の権利が関係することがあります。
また、本人の録音をそのまま使用していなくても、AIによって本人そっくりの声を作り、その人物の知名度や顧客吸引力を利用するような使い方をすれば、パブリシティ権などが問題になる可能性があります。
AI音声では「著作権侵害になるか」だけで判断しないことが大切です。
パブリシティ権が問題になる場合がある
パブリシティ権とは、著名人の氏名や肖像などが持つ顧客吸引力を排他的に利用できる権利として、判例上認められてきたものです。
2026年8月には、法務省が「肖像、声等の無断利用による民事責任の在り方に関する検討会」の取りまとめ報告書を公表しました。
この報告書では、生成AIによる肖像や声などの無断利用について、パブリシティ権をはじめとした現在の法的な枠組みに基づく考え方が整理されています。
たとえば、有名人本人の知名度を利用して商品やサービスへの関心を集めるために、その人物に似せたAI音声を無断で広告に利用するといったケースでは、パブリシティ権の問題が生じる可能性があります。
「AIが作った声だから本人の声ではない」という理由だけで、問題がなくなるとは限りません。
人格的な利益の侵害が問題になる場合もある
有名人の声の無断利用では、商業的な価値だけが問題になるわけではありません。
本人が実際には話していない内容を、本人が話したように聞こえるAI音声として公開すれば、本人の社会的評価や人格的な利益に影響する可能性があります。
特に、
・本人が言っていない発言をさせる
・政治的、社会的な主張を本人の発言のように見せる
・商品を本人が推薦しているように見せる
・本人を侮辱する内容を話させる
・詐欺などに利用する
といった使い方には十分な注意が必要です。
AI音声の問題は、「声を似せたこと」だけでなく、「その声を使って何をしたのか」も重要になります。
SNSやYouTubeへの公開は特に注意する
自分のパソコンやスマートフォンでAI音声を試すことと、生成した音声をインターネット上へ公開することも分けて考えたほうがよいでしょう。
SNSやYouTubeなどへ公開すると、多くの人がその音声を聞けるようになります。
さらに、
「○○さんが話している」
「○○さん本人の音声だ」
と視聴者が誤解するような投稿になれば、問題はより大きくなる可能性があります。
実際、著名人の肖像や音声をディープフェイクで無断利用し、本人が投資などを勧めているように見せる「なりすまし詐欺広告」も問題になっています。
2026年8月には、法務省、警察庁、金融庁、消費者庁、デジタル庁、総務省、経済産業省の7府省庁が、大規模なSNSなどの事業者に対して、なりすまし詐欺広告への対策強化を要請しました。
AIで有名人そっくりの声を作れるとしても、「作れること」と「公開・利用してよいこと」は別です。
特に、本人が話したと誤認させるような使い方や、有名人の知名度を利用した広告・販売などへの利用は避けたほうがよいでしょう。
AI音声を公開するときは、利用するサービスの規約だけでなく、他人の権利を侵害していないかについても確認することが大切です。
AI音声生成と著作権・声の権利
AI音声生成を利用するときに難しいのが、著作権などの権利関係です。
「AIが作った音声なら著作権を気にしなくてもよいのでは?」
「声優や有名人の声には著作権があるの?」
と疑問に思う方もいるでしょう。
AI音声では、声そのものだけでなく、元となる音声や実演、台本、楽曲、利用する人物などによって、関係する権利が変わります。
主なものを整理すると次のとおりです。
| 確認したい権利など | AI音声で注意したいこと |
|---|---|
| 著作権 | 台本・小説・歌詞・楽曲などを利用する場合 |
| 著作隣接権 | 声優・俳優・歌手などの実演を録音した音声を利用する場合 |
| パブリシティ権 | 著名人の声が持つ顧客吸引力を利用するような場合 |
| 人格的な利益など | 本人が話したと誤認させるなど、声の無断利用が問題となる場合 |
| 利用規約・ライセンス | AIサービスや音声モデルを利用するとき |
「AI音声だから」という一つの理由だけで判断するのではなく、何を入力し、どのような音声を生成し、それをどのように利用するのかを確認することが大切です。

学習に使う音声にも注意
AI音声を生成するには、元となる音声データが利用されることがあります。
自分で録音した自分自身の声を使用する場合と、インターネットなどから入手した第三者の音声を使用する場合では、権利関係が異なります。
特に、
・声優が演じたアニメやゲームの音声
・俳優が出演している映画やドラマの音声
・歌手が歌っている楽曲の音源
・YouTubeなどで公開されている第三者の音声
などを「インターネットで入手できるから」という理由だけで自由にAIへ読み込ませてよいとは限りません。
AIによる学習については、著作権法上、一定の場合に著作物を利用できる規定があります。
しかし、すべてのAI学習が無条件で認められるという意味ではありません。
利用目的や方法、著作権者の利益を不当に害するかどうかなど、具体的な状況によって判断が変わる可能性があります。
また、著作権とは別の権利や契約上の制限が関係することもあります。
第三者の音声をAIへ登録するときは、「AIの学習なら何でも自由」と考えないようにしましょう。
生成した音声を公開するときにも注意
AI音声は、生成する段階だけでなく、生成後の使い方にも注意が必要です。
たとえば、自分で楽しむためにAI音声を作る場合と、SNSやYouTubeなどで不特定多数に公開する場合では状況が異なります。
特に注意したいのが、実在する人物が本当に話していると誤解されるようなAI音声です。
有名人に似せた声で、
「この商品がおすすめです」
「この投資を始めましょう」
などと話しているように見せれば、本人が実際に発言・推薦していると受け取られる可能性があります。
AIで生成したことを隠して本人の発言のように見せる行為は、権利侵害だけでなく、内容によっては別の法的問題につながる可能性もあります。
「AIで生成した音声だから公開しても大丈夫」とは考えず、誰かの権利や信用を害する使い方になっていないかを確認しましょう。
商用利用するときは利用規約も確認する
著作権などに問題がなくても、AI音声生成サービスの利用規約によって使用方法が制限されている場合があります。
たとえば、
・無料プランでは商用利用できない
・商用利用には有料プランが必要
・クレジット表記が必要
・特定の音声モデルは商用利用できない
・第三者の声を無断で登録できない
といった条件が設定されていることがあります。
YouTubeの収益化動画、広告、企業のPR動画、販売する教材などにAI音声を利用するときは、特に確認しておきましょう。
また、利用規約は変更されることがあります。
以前は商用利用できたサービスでも条件が変わる可能性があるため、実際に使用する時点で公式サイトの最新の利用規約を確認することが大切です。
AI音声では複数の権利を分けて考える
AI音声生成の権利問題は、「声に著作権があるか」という一点だけでは判断できません。
たとえば、有名声優に似たAI音声で既存アニメのセリフを話させる場合には、
・声優の声や実演に関する問題
・アニメの台本などの著作権
・声優本人のパブリシティ権など
・AI音声生成サービスの利用規約
など、複数の問題を検討する必要が出てくる可能性があります。
反対に、自分で書いた文章を、商用利用が認められているAI音声モデルに読ませる場合などは、確認すべきポイントを比較的整理しやすくなります。
AI音声生成を利用するときは、
「誰の声を使うのか」
「何を話させるのか」
「どこで公開するのか」
「商用利用するのか」
という視点で確認すると、権利関係を整理しやすいでしょう。
AIで声優や有名人の声を無断生成する問題も
AI音声生成の技術が進歩する一方で、声優や俳優、歌手などの声を本人の許可なくAIで再現することも問題になっています。
特に難しいのは、AIで作られた音声が本物と区別しにくくなっていることです。
本人が実際には話していないにもかかわらず、本人が発言したように聞こえる音声を作ることができれば、本人の権利だけでなく、聞いた人が誤解する問題も生じます。
そのため、声優・俳優などの業界からも、AIによる声の無断利用に対してさまざまな懸念が示されています。
声優などの「声」の無断利用が問題になっている
AIによる声の問題では、単に「声が似ている」ことだけが問題になるわけではありません。
たとえば、声優の出演作品などから音声を集め、その人物に似たAI音声を作れば、本人が実際には収録していない言葉まで話しているように聞かせることができます。
こうした技術が無断で使われれば、
・本人が仕事として提供している声が許可なく利用される
・本人が発言していない内容を話しているように見せられる
・本人のイメージや信用に影響する
・AI音声が本人の仕事の代わりとして利用される
といった問題につながる可能性があります。
日本でも声優や俳優などの団体が、生成AIによる声の無断利用について問題を提起しています。
AI技術そのものを否定するというより、「本人の許可なく声を学習・生成・利用することをどう考えるのか」が大きな論点になっています。
有名人になりすましたAI音声も問題に
AI音声の問題は、声優や俳優の仕事だけに限りません。
有名人の声をAIで再現し、本人が商品や投資などを勧めているように見せる「なりすまし」に悪用されるケースも問題になっています。
たとえば、
「○○さんがおすすめしている投資です」
と、有名人そっくりのAI音声とAI生成映像を組み合わせれば、本人が実際に広告へ出演しているように見せることも可能です。
このような偽の映像や音声は「ディープフェイク」と呼ばれることがあります。
本人が広告に出演していると思い込み、商品を購入したり投資したりする人が出れば、AI音声を作られた本人だけでなく、それを信じた利用者にも被害が広がります。
そのため、AI音声を聞いた側も「声が本人にそっくりだから本物」と判断しないことが大切になっています。
2026年には国も「声」の無断利用について整理
こうした状況を受け、日本でもAIによる声の利用について法的な整理が進められています。
2026年8月には、法務省が「肖像、声等の無断利用による民事責任の在り方に関する検討会」の取りまとめ報告書を公表しました。
この検討会では、生成AIによって作られたものを含む肖像や声などの無断利用について、現在の法律でどのような対応が可能なのかが検討されています。
重要なのは、AIによる声の問題が「著作権があるか、ないか」だけでは整理できないことです。
パブリシティ権など、著作権以外の法的な枠組みも含めて考える必要があります。
AI音声生成が身近になったことで、「声をどのように守るのか」という問題も、これまで以上に注目されるようになっています。
AI音声は作る側だけでなく聞く側も注意
AI音声生成が高性能になるほど、聞いただけで本物かAIなのかを判断することは難しくなります。
有名人や家族、知人などの声に聞こえても、それだけで本人の音声だと判断しないようにしましょう。
特に、
・お金を振り込んでほしい
・投資を始めてほしい
・商品を購入してほしい
・パスワードや認証コードを教えてほしい
など、お金や個人情報に関する要求があった場合は注意が必要です。
電話やメッセージなど別の方法で本人に確認することも、AI音声によるなりすましへの対策になります。
AI音声生成は、動画制作やナレーションなどに役立つ便利な技術です。
一方で、本人の許可を得ずに声を再現したり、本人が話していると誤解させたりする使い方には大きな問題があります。
AI音声を利用する側も聞く側も、「本物の声に聞こえる=本人の声とは限らない」時代になっていることを知っておくことが大切です。
AI音声生成を安全に使うためのポイント
AI音声生成は、文章からナレーションを作ったり、自分の声を再現したりできる便利な技術です。
必要以上に怖がる必要はありませんが、他人の声や既存の作品を利用する場合には注意が必要です。
AI音声を作る前に、次のポイントを確認しておきましょう。
| チェックポイント | 確認すること |
|---|---|
| 誰の声か | 自分の声または利用許可のある声か |
| 入力する素材 | 他人の音声や作品を無断利用していないか |
| 話す内容 | 他人の著作物を無断利用していないか |
| 公開方法 | 本人の発言だと誤解させないか |
| 商用利用 | 利用規約で認められているか |
| 音声データ | 保存・学習・削除などの条件を確認したか |

自分の声または利用許諾のある音声を使う
AI音声を安全に利用する基本は、自分の声や、利用する許可を得ている音声を使用することです。
ボイスクローンを試したい場合も、まずは自分の声を使うとよいでしょう。
家族や友人など身近な人の声であっても、本人に無断でAIへ登録することは避けたほうがよいでしょう。
また、インターネット上で公開されている音声だからといって、AIへ自由に読み込ませてよいとは限りません。
「公開されていること」と「AI音声生成に利用する許可があること」は別です。
声優・有名人などに似せた音声を安易に公開しない
AI音声生成では、声優や俳優、歌手などに似た声を作れる場合があります。
しかし、本人に似せたAI音声を無断で公開・利用すると、パブリシティ権などの問題が生じる可能性があります。
特に注意したいのが、
・本人が商品を推薦しているように見せる
・本人が言っていない発言をさせる
・本人の名前を使ってAI音声を宣伝する
・本人そっくりの声を広告などに利用する
といった使い方です。
「AIで作った声だから本人の声ではない」という理由だけで問題がなくなるとは限りません。
実在する人物を再現する場合は、本人や権利者から利用許諾を得ているかを確認することが大切です。
楽曲や台本などの著作権も確認する
AI音声では「誰の声か」に目が向きがちですが、AIに何を話させたり歌わせたりするのかも重要です。
たとえば、AI音声に小説を朗読させたり、既存の楽曲を歌わせたりする場合には、その作品の著作権についても確認する必要があります。
声をAIで生成したからといって、使用する文章や楽曲の著作権がなくなるわけではありません。
自分で作成した文章や楽曲、利用許諾を得た作品などを使用すると、権利関係を整理しやすくなります。
商用利用の条件を確認する
YouTubeの収益化動画や広告、仕事などにAI音声を利用する場合は、サービスの商用利用条件を確認しましょう。
特に無料のAI音声生成サービスでは、
・個人利用のみ可能
・商用利用には有料プランが必要
・クレジット表記が必要
・一部の音声のみ商用利用可能
などの条件が設けられている場合があります。
また、サービス全体では商用利用が認められていても、特定の音声モデルやキャラクターには別のライセンスが設定されていることもあります。
実際に利用する時点で最新の利用規約やライセンスを確認してください。
AI生成であることを明示したほうがよい場合もある
AI音声を公開するときは、AIによって生成した音声であることを明示したほうがよい場合もあります。
特に実在する人物と混同される可能性がある場合、視聴者に本物の音声だと誤解させないことが重要です。
ただし、「AI生成」と表示すれば、他人の声を無断で自由に利用できるようになるわけではありません。
AI生成であることの表示と、声や作品を利用する権利があるかどうかは別の問題です。
「AI音声です」と書けばすべて問題ない、と考えないようにしましょう。
AI音声生成を利用するときは、
「この声を使ってよいか」
「この文章や楽曲を使ってよいか」
「この方法で公開してよいか」
「商用利用してよいか」
の4点を確認することが大切です。
判断に迷う場合は、無理に声優や有名人などの声を再現するのではなく、自分の声や利用条件が明確なAI音声を選ぶとよいでしょう。
AI音声生成についてよくある質問
AI音声生成は無料でできますか?
無料で利用できるAI音声生成サービスや、無料プラン・無料体験が用意されているサービスがあります。
ただし、無料版では生成できる文字数や音声の種類、ダウンロードなどが制限されている場合があります。
また、無料で生成できることと商用利用できることは別です。
YouTubeの収益化動画や仕事などに利用する場合は、サービスの利用規約やライセンスを確認しましょう。
自分の声をAIにできますか?
ボイスクローンに対応したAI音声生成サービスを利用すれば、自分の声をもとにしたAI音声を作れる場合があります。
一般的には、自分の声を録音してサービスに登録し、その音声からAIが声の特徴を分析します。
作成後は文章を入力することで、自分に似た声で新しい音声を生成できます。
ただし、自分の音声データを外部サービスへ登録することになるため、音声データの保存や利用、削除などについても確認しておきましょう。
声優の声をAIで作るのは違法ですか?
「声優に似たAI音声を作ったら必ず違法」と一律に判断することはできません。
声そのものには著作権法上の権利が及ばないとされていますが、声優の実演には著作隣接権が関係する場合があります。
また、本人に似た声の利用方法によっては、パブリシティ権など著作権以外の問題が生じる可能性もあります。
特定の声優の声を無断で再現して公開・商用利用することは避け、本人や権利者の許可を得ている音声を利用するのが安全です。
有名人の声には著作権がありますか?
「有名人の声そのものに著作権がある」と考えるのは正確ではありません。
文化庁では、声そのものには著作権法上の権利は及ばないと整理されています。
ただし、「著作権がない=自由に利用できる」という意味ではありません。
有名人の声が持つ顧客吸引力を利用するようなケースではパブリシティ権が問題になる可能性があり、実際の音声や実演、台本、楽曲などを利用すれば別の権利が関係することもあります。
AI音声では著作権だけで判断しないことが重要です。
AI音声をYouTubeで使っても大丈夫ですか?
AI音声生成サービスの利用規約やライセンスで認められていれば、YouTube動画のナレーションなどに利用できる場合があります。
ただし、YouTubeで収益化する場合は、商用利用が認められているかも確認しましょう。
また、AI音声で読み上げる文章や楽曲などに第三者の著作物を利用する場合や、実在する人物に似せた声を利用する場合には、別の権利についても確認する必要があります。
「AI音声を使っている」というだけで、YouTubeへの投稿が自由になるわけではありません。
AI音声は商用利用できますか?
商用利用できるAI音声生成サービスもあります。
ただし、商用利用の条件はサービスや料金プラン、使用する音声モデルなどによって異なります。
無料版では個人利用のみ、有料版では商用利用可能といった違いが設けられている場合もあります。
広告、収益化した動画、企業のPR、販売するコンテンツなどにAI音声を利用する場合は、実際に使用する時点で最新の利用規約とライセンスを確認しましょう。
まとめ
AI音声生成とは、AIを使って人が話しているような音声を作る技術です。
文章からナレーションを作るだけでなく、自分の声を再現するボイスクローンや、声質を変換する技術、AIによる歌声生成など、さまざまな使い方があります。
無料で試せるAI音声生成サービスもあるため、初めて利用する場合は、日本語の自然さや操作性などを実際に確認してから選ぶとよいでしょう。
ただし、無料で利用できることと、生成した音声を自由に公開・商用利用できることは別です。
特に声優や俳優、歌手、有名人など、実在する人物に似た声をAIで生成するときは注意が必要です。
声そのものには著作権法上の権利が及ばないとされていますが、「著作権がないから誰の声でも自由に使える」という意味ではありません。
声優などの実演に関する著作隣接権や、著名人のパブリシティ権など、別の権利が問題になる可能性があります。
AI音声生成を利用するときは、
・誰の声を使うのか
・何を話させるのか
・どこで公開するのか
・商用利用するのか
・サービスの利用規約で認められているのか
を確認することが大切です。
迷ったときは、自分の声や利用許諾を得た声、利用条件が明確なAI音声モデルを選ぶとよいでしょう。
AI音声生成は、動画制作やナレーションなどの可能性を広げてくれる便利な技術です。
一方で、本物と区別しにくい音声を簡単に作れるようになったからこそ、他人の声や作品を尊重し、ルールを確認しながら利用することがこれまで以上に重要になっています。