
「このパソコンのベンチマークスコアは高い」
「競合企業をベンチマークする」
「この株価指数をベンチマークにしている」
このように、「ベンチマーク」という言葉はいろいろな場面で使われています。
パソコンやスマートフォンに詳しい人なら、性能を測定する「ベンチマークテスト」を思い浮かべるかもしれません。
ところが、ベンチマークはビジネスや投資、建築・測量、さらには車の評価などでも使われる言葉です。
しかも、分野によって少しずつ意味が違います。
そこでこの記事では、
- ベンチマークとは簡単にいうと何なのか
- PC・スマホのベンチマークとは何を測るものなのか
- ビジネスではどのような意味で使うのか
- 投資のベンチマークとは何なのか
- 建築・測量や車ではどのような意味になるのか
- KPIや目標などとは何が違うのか
などを、初心者にもわかりやすく解説します。
「ベンチマークという言葉は聞くけれど、いまひとつ意味がわからない」という方は、ぜひ参考にしてください。
ベンチマークとは?
ベンチマーク(benchmark)は、簡単にいうと「何かを比較・評価するときの基準」です。
ただし、実際には使われる分野によって「何を基準にするのか」が異なります。
まずは基本的な意味から見ていきましょう。
簡単にいうと「比較するための基準」
たとえば、3台のパソコンの性能を比べたいとします。
単に、
「このパソコンは速そう」
「こちらのほうが高性能らしい」
といわれても、どちらが優れているのかわかりにくいですよね。
そこで、同じ条件で処理を行い、その結果を数値にすれば比較しやすくなります。
このように、何かを比べたり評価したりするときに基準となるものがベンチマークです。
ビジネスの場合は、優れた企業やサービスを比較対象にすることがあります。
投資では、運用成績を比較するために株価指数などを基準にすることがあります。
つまり、
「これと比べて、どのくらい良いのか・悪いのかを判断しよう」
というときの「これ」にあたるものが、ベンチマークだと考えるとわかりやすいでしょう。

ベンチマークの意味
ベンチマークには、大きく分けると次のような使われ方があります。
| 分野 | ベンチマークの主な意味 |
|---|---|
| PC・スマホ | 性能を測定・比較するための指標 |
| ビジネス | 他社や優れた事例などとの比較基準 |
| 投資 | 運用成績を比較するための基準 |
| 建築・測量 | 高さなどを測る基準となる点 |
| 車 | 性能や品質などを比較・評価するときの基準 |
このように、すべてがまったく同じ意味というわけではありません。
ただ、共通しているのは「何かを判断するための基準になる」という点です。
ベンチマークの語源は?
「benchmark」という言葉は、もともと測量で使われてきた言葉です。
「bench」は台や水平な面、「mark」は印を意味します。
測量では、高さを測る際の基準となる印や基準点が必要になります。
このような測定の基準となる印(mark)を示す言葉として「benchmark」が使われるようになりました。
そこから意味が広がり、
測量の基準点
↓
物事を測るための基準
↓
性能や成果などを比較するための基準
という形で、さまざまな分野で使われるようになったと考えるとわかりやすいでしょう。
そのため、現在ではPCやスマホだけでなく、ビジネスや投資などでも「比較基準」という意味でベンチマークが使われています。
「ベンチマークする」とはどういう意味?
ビジネスでは、
「A社をベンチマークする」
「競合サービスをベンチマークして商品を改善する」
といった表現を見かけます。
この場合の「ベンチマークする」は、単に相手をまねするという意味ではありません。
優れた企業・商品・サービスなどを比較対象として調べ、自社との違いや改善できる部分を見つけることを意味します。
たとえば、自社のネットショップを改善するとしましょう。
競合する人気ショップについて、
- 商品ページは見やすいか
- 注文まで何回操作する必要があるか
- 配送方法はどうなっているか
- 問い合わせしやすいか
- どのようなサービスを提供しているか
などを比較します。
そして、優れている部分を参考にしながら、自社の改善につなげます。
したがって、
ベンチマーク=比較の基準
ベンチマークする=比較対象を定めて分析・評価する
と覚えておくとよいでしょう。
ベンチマークは分野によって意味が違う
「ベンチマーク」という言葉が少しわかりにくい理由の一つが、使われる分野によって意味が変わることです。
代表的な使われ方を簡単に整理してみましょう。
PC・スマホ:性能を比較するための指標
PCやスマートフォンでは、CPUやGPUなどの性能を測定して数値化し、ほかの機器と比較するときにベンチマークが使われます。
たとえば、
「ベンチマークスコアが高い」
という場合は、一定のテストで高い性能を示したという意味です。
ただし、ベンチマークスコアが高ければ、あらゆる用途で必ず快適になるとは限りません。
この点については後ほど詳しく解説します。
ビジネス:他社や優れた事例との比較基準
ビジネスでは、競合企業や業界の優良企業などを比較対象として設定することがあります。
たとえば、
「顧客対応が優れているA社をベンチマークにする」
という使い方です。
A社の取り組みを調べ、自社との違いを分析して改善につなげます。
単純な競合比較だけでなく、異なる業界の優れた取り組みを参考にする場合もあります。
投資:運用成績を比較するための基準
投資の世界では、投資信託などの運用成績を評価するための比較基準をベンチマークと呼びます。
たとえば、ある期間に運用資産が5%上昇したとしても、それだけでは運用成績が良かったのか判断しにくいでしょう。
同じ期間に比較対象となる市場全体が10%上昇していたのであれば、「市場の動きと比べると伸びが小さかった」と見ることもできます。
このように、運用成績を相対的に判断するための物差しとしてベンチマークが使われます。
建築・測量:位置や高さを測るための基準点
建築や測量では、ベンチマーク(BM)はより本来の意味に近い使われ方をします。
工事や測量を行う際に、高さを決める基準となる点を設定します。
この基準が途中で変わってしまうと、建物などの高さを正確に決められません。
そのため、動きにくく確認しやすい場所などに基準となる点を設け、そこをもとに高さを測っていきます。
車:性能や評価を比較するときの基準
自動車の記事などでは、
「この車は同クラスのベンチマークだ」
「ライバルメーカーがベンチマークとする車」
といった表現があります。
この場合は、必ずしもベンチマークテストの数値を意味しているわけではありません。
性能、走行性能、乗り心地、使い勝手、品質などを比較するときに、基準となる代表的な車という意味で使われています。
つまり「ほかの車を評価するときの物差しになる存在」と考えるとわかりやすいでしょう。

PCのベンチマークとは?
PCにおけるベンチマークとは、パソコンの性能を一定の条件で測定し、数値などで比較・評価することです。
パソコンにはCPUやGPU、メモリ、SSDなどさまざまな部品が使われています。
スペック表を見ればCPUの種類やメモリ容量などはわかりますが、それだけでは「実際にどのくらい処理能力があるのか」がわかりにくい場合があります。
そこで役立つのがベンチマークです。
同じテストを複数のパソコンで実行すれば、
「このPCはCPU処理が速い」
「こちらはグラフィック性能が高い」
「SSDの読み書きはこちらのほうが速い」
といった違いを比較しやすくなります。
CPUのベンチマーク
CPUは、パソコンでさまざまな計算や処理を行う中心的な部品です。
CPUのベンチマークでは、一定の計算や画像処理などを行わせ、どのくらい速く処理できるかを測定します。
よく見かけるのが、
- シングルコア性能
- マルチコア性能
という評価です。
シングルコア性能は、主に1つのCPUコアを使ったときの処理性能を表します。
一方、マルチコア性能は、複数のコアを利用したときの処理性能を見るものです。
同じCPUでも、用途によって重要になる性能は異なります。
そのため、単純に総合スコアだけを見るのではなく、自分が何にPCを使うのかを考えて比較することが大切です。
GPUのベンチマーク
GPUは、映像や画像などの処理を得意とする部品です。
特に、
- PCゲーム
- 3DCG
- 動画編集
- 画像処理
などではGPU性能が重要になります。
GPUのベンチマークでは、3D映像などを実際に描画させ、その処理能力を測定します。
ゲーム関連では「FPS」という数値を見ることもあります。
FPSは1秒間に何枚の画像を表示できるかを表す指標で、一般的には数値が高いほど映像を滑らかに表示しやすくなります。
ただし、画面解像度や画質設定などによって結果が変わるため、比較するときはテスト条件を確認する必要があります。
SSD・ストレージのベンチマーク
SSDなどのストレージでもベンチマークが行われます。
主に測定するのは、
- データを読み込む速さ
- データを書き込む速さ
です。
結果は「MB/s」などの単位で表示されることがあります。
ただし、ストレージの性能には、連続した大きなデータを読み書きする場合と、小さなデータを多数読み書きする場合などで違いがあります。
そのため、カタログなどに掲載された最大速度だけでは、実際の使用感を完全には判断できません。
ゲームのベンチマーク
PCゲームでは、そのゲームが自分のパソコンで快適に動作するか確認するために、ベンチマークテストが用意されることがあります。
ゲームに近い映像を実際に動かし、
- FPS
- 描画性能
- 処理の安定性
- 総合的な評価
などを確認します。
結果として、
「快適」
「普通」
「設定変更を推奨」
などの目安が表示されるものもあります。
ゲームを購入する前に、自分のPCでどの程度動作するか判断する材料として利用できます。
ベンチマークスコアが高い=必ず快適とは限らない
ここはベンチマークを見るうえで重要なポイントです。
基本的にはベンチマークスコアが高いほど、そのテストにおいて高い性能を発揮したと考えられます。
しかし、
「ベンチマークスコアが高いPC=どんな用途でも必ず快適」
というわけではありません。
たとえば、非常に高性能なGPUを搭載していても、インターネット閲覧や文書作成が中心なら、その性能を十分に使わないことがあります。
逆に動画編集やゲームでは、GPU性能の違いが大きく影響することがあります。
ベンチマークはあくまで、一定の条件で測定した性能を比較するための目安として見ることが大切です。

スマホのベンチマークとは?
スマートフォンでも、PCと同じようにベンチマークが使われます。
スマホのベンチマークとは、スマートフォンの処理性能などを一定のテストによって数値化し、機種同士を比較するものです。
新しいスマホが発売されたときに、
「ベンチマークスコア○○万点」
といった情報を見たことがある方もいるでしょう。
スマホの性能を比較するときの一つの目安として利用されています。
CPU・GPU・メモリなどを総合的に評価する
スマホ向けのベンチマークには、複数の項目を測定して総合的なスコアを算出するタイプがあります。
たとえば、
- CPUの処理性能
- GPUのグラフィック性能
- メモリ関連の性能
- データ処理
- 操作に関係する処理
などです。
これらを測定することで、スマートフォンの性能を比較しやすくします。
一方、CPU性能など特定の項目を中心に測定するベンチマークもあります。
つまり、ベンチマークアプリによって測定内容やスコアの意味が違うことにも注意が必要です。
ベンチマークスコアを見るときの注意点
スマホのベンチマーク結果は、測定条件によって変化することがあります。
たとえば、
- 端末の温度
- OSのバージョン
- アプリのバージョン
- バックグラウンドで動作しているアプリ
- 省電力などの設定
といった条件です。
スマートフォンは高い負荷が続いて本体温度が上昇すると、発熱を抑えるために処理性能を調整することがあります。
そのため、同じ機種でも毎回まったく同じスコアになるとは限りません。
数値を比較するときは、できるだけ同じ条件で測定された結果を見ることがポイントです。
iPhoneとAndroidは単純比較できる?
iPhoneとAndroidスマートフォンのベンチマークスコアを比較する場合も注意が必要です。
同じベンチマークアプリであっても、OSやハードウェアの仕組みなどが異なります。
また、ベンチマークアプリによって測定方法も違います。
そのため、単純に、
「スコアがこちらのほうが高いから、すべてにおいて高性能」
と判断するのはおすすめできません。
ベンチマークは性能を比較する有力な材料ですが、実際にスマートフォンを選ぶ際には、
- バッテリー持ち
- カメラ
- 画面
- 本体サイズ
- 発熱
- 操作性
- 価格
なども含めて判断することが大切です。

ベンチマークテストとは?
ベンチマークについて調べていると、「ベンチマークテスト」という言葉もよく登場します。
ベンチマークテストとは、機器やシステムなどに一定の処理を行わせ、その性能を測定・比較するためのテストです。
PCやスマホでは専用ソフトやアプリなどを使って実施します。
ベンチマークとベンチマークテストの違い
両者は同じような意味で使われることもありますが、厳密には少し違います。
| 言葉 | 主な意味 |
|---|---|
| ベンチマーク | 比較・評価するための基準や指標 |
| ベンチマークテスト | 性能を測定して比較するために行うテスト |
たとえば、PCに一定の処理をさせることが「ベンチマークテスト」、その結果として得られたスコアなどが性能を比較するための指標になります。
日常的には「ベンチマークを取る」「ベンチマークを回す」といった言い方で、ベンチマークテストを実行する意味として使われることもあります。
ベンチマークテストでは何を測る?
何を測定するかは、対象や使用するソフトによって異なります。
PCの場合なら、
- CPUの処理能力
- GPUの描画能力
- メモリ性能
- SSDなどの読み書き速度
- ゲームの描画性能
などがあります。
スマートフォンでもCPUやGPUなどを測定するほか、複数の項目から総合的な性能を評価することがあります。
大切なのは、「何点だったか」だけでなく「そのテストが何を測定しているのか」を確認することです。
実際の使用感とは違うこともある
ベンチマークテストは性能比較に便利ですが、実際の使用感を完全に再現するものではありません。
たとえば、短時間のベンチマークでは高い性能を発揮していても、長時間高い負荷をかけると発熱によって性能が変化することがあります。
反対に、ベンチマークスコアでは大きな差があっても、Web閲覧やメッセージのやり取りなど軽い用途では体感差がほとんどわからない場合もあります。
そのため、
ベンチマークスコア=性能を比較するための目安
実際の使いやすさ=性能以外の要素も含めた総合評価
と分けて考えるとわかりやすいでしょう。

ビジネスで使うベンチマークとは?
ビジネスにおけるベンチマークとは、自社の商品・サービス・業務などを改善するために、比較の基準とする企業や事例、数値などのことです。
たとえば、自社のネットショップで「購入途中で離脱する人が多い」という課題があったとします。
そこで、使いやすいと評価されている他社のネットショップと比較して、
- 商品を探しやすいか
- 商品説明はわかりやすいか
- 購入までの操作は簡単か
- 決済方法は充実しているか
- 問い合わせ方法はわかりやすいか
などを調べます。
すると、自社だけを見ていたときには気づかなかった改善点が見つかることがあります。
つまり、ビジネスにおけるベンチマークは、「自社は現在どのくらいの位置にいるのか」「どこを改善すればよいのか」を考えるための物差しとして使われます。
「競合他社をベンチマークする」とは?
ビジネスでは、
「A社をベンチマークする」
「競合他社をベンチマークして新商品を開発する」
といった表現が使われます。
これは、A社の商品やサービスをそのまままねするという意味ではありません。
競合他社などについて、
調べる
↓
自社と比較する
↓
違いを見つける
↓
優れた部分を分析する
↓
自社の改善につなげる
という考え方です。
たとえば、競合する飲食店をベンチマークするなら、価格だけを見るのではなく、
「メニューの種類」
「注文のしやすさ」
「料理が提供されるまでの時間」
「店内の雰囲気」
「接客」
など、さまざまな項目を比較できます。
大切なのは、単に「ライバル店のほうが良い」で終わらせず、なぜ優れているのかを分析することです。
ベンチマーキングとの違い
「ベンチマーク」とよく似た言葉に「ベンチマーキング(benchmarking)」があります。
この2つは関連していますが、意味は少し異なります。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| ベンチマーク | 比較・評価するときの基準や比較対象 |
| ベンチマーキング | ベンチマークを使って比較・分析し、改善につなげる活動や手法 |
たとえば、
「顧客対応が優れているA社をベンチマークにする」
場合、A社が比較対象となります。
そして、A社の顧客対応を調べ、自社との違いを分析して改善につなげる一連の取り組みが「ベンチマーキング」です。
簡単に整理すると、
ベンチマーク=比較するときの物差し
ベンチマーキング=その物差しを使って改善する取り組み
と考えるとわかりやすいでしょう。
KPIとの違い
ビジネスでは「KPI」という言葉もよく使われます。
KPIは「Key Performance Indicator(重要業績評価指標)」の略で、目標達成に向けた進み具合を確認するための重要な指標です。
たとえば、ネットショップの売上を増やすことが目標なら、
- Webサイトへのアクセス数
- 商品購入率
- 平均購入金額
- リピート率
などをKPIとして設定することがあります。
一方、ベンチマークは比較するための基準です。
たとえば、
「業界平均の購入率は3%」
という数値を比較基準にするなら、それがベンチマークになります。
自社の購入率をKPIとして継続的に確認しながら、業界平均などのベンチマークと比較する、といった使い方もできます。
したがって、ベンチマークとKPIはどちらも数値を扱うことがありますが、目的が違います。

投資におけるベンチマークとは?
投資におけるベンチマークとは、投資信託やポートフォリオなどの運用成績を比較・評価するための基準となる指標です。
投資では、
「1年間で10%値上がりした」
という結果だけを見ても、それが良い成績なのか判断しにくいことがあります。
なぜなら、市場全体が大きく上昇した年と下落した年では、「10%上昇」の意味が違ってくるからです。
そこで、基準となる指数などと比較します。
これが投資におけるベンチマークの基本的な考え方です。
株価指数がベンチマークとして使われる
投資のベンチマークには、株価指数などが使われることがあります。
代表的なものとして、
- 日経平均株価
- TOPIX(東証株価指数)
- S&P 500
- MSCIが算出する各種指数
などがあります。
ただし、どの指数をベンチマークにするかは、投資対象によって異なります。
たとえば、日本株を中心に投資する商品と米国株を中心に投資する商品では、適切な比較対象も違ってきます。
そのため、投資信託などを見るときは、単に「利益が出ているか」だけではなく、何をベンチマークとしているのかを確認することも大切です。
投資信託とベンチマークの関係
投資信託では、運用方針を理解するうえでもベンチマークが重要になります。
代表的なのが「インデックスファンド」です。
インデックスファンドは、特定の指数への連動を目指して運用される投資信託です。
たとえば、ある株価指数を対象とするインデックスファンドなら、その指数と似た値動きを目指して運用されます。
一方、ベンチマークを参考にしながら、それを上回る運用成果を目指すタイプの運用もあります。
ただし、実際の運用成績は手数料などの影響も受けるため、ベンチマークとまったく同じ値動きになるとは限りません。
ベンチマークを上回る・下回るとは?
投資の記事などでは、
「ベンチマークを上回った」
「ベンチマークを下回った」
という表現を見かけます。
簡単な例で考えてみましょう。
ある期間について、
投資商品の運用成績:+8%
ベンチマーク:+5%
だったとします。
この場合、その期間では投資商品の成績がベンチマークを3ポイント上回っています。
反対に、
投資商品の運用成績:+3%
ベンチマーク:+5%
なら、ベンチマークを2ポイント下回ったことになります。
ただし、ここで注意したいのが、
「ベンチマークを上回った=その投資商品が必ず優れている」
とは限らないことです。
短期間だけの結果なのか、長期間にわたってどのような成績だったのかによっても評価は変わります。
また、リスクや手数料なども考える必要があります。
ベンチマークは、あくまで運用結果を相対的に判断するための基準の一つです。
投資のベンチマークを見るときのポイント
投資でベンチマークを見る場合は、「数字が高い・低い」だけで判断しないことが大切です。
特に確認したいのは、
- 何をベンチマークにしているか
- 投資対象とベンチマークが合っているか
- どの期間を比較しているか
- 手数料などを含めてどのような違いがあるか
といった点です。
同じ「+10%」という運用成績でも、比較対象によって評価は変わります。
投資におけるベンチマークは、運用成績を判断するための比較用の物差しと覚えておくとよいでしょう。

※投資に関する情報は一般的な用語・仕組みの解説です。特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。
建築・測量で使うベンチマークとは?
建築や測量で使われるベンチマーク(BM)とは、建物や土地などの高さを測るときに基準とする点のことです。
PCやビジネスで使う「比較の基準」とは少し意味が違って見えますが、実はこの使い方はベンチマークという言葉の本来の意味に近いものです。
建物を建てるときには、
「建物の床をどの高さにするのか」
「地面をどの高さまで掘るのか」
「基礎をどの高さに施工するのか」
などを正確に決めなければなりません。
しかし、基準となる高さが決まっていなければ、工事をする人によって測定結果がずれてしまう可能性があります。
そこで、動きにくい場所などに高さの基準となる点を設け、そこをもとに測定します。
この基準となる点がベンチマークです。
BM(ベンチマーク)とは?
建築図面や工事現場では、ベンチマークを「BM」と表記することがあります。
BMは「Benchmark」の略です。
たとえば、
「BM±0」
「BM+500」
といった表記を見かけることがあります。
これは、基準となるBMに対して、どのくらい高いか・低いかを示すために使われます。
わかりやすい例で考えてみましょう。
基準となる場所を、
BM=0
とした場合、
そこから50cm高い場所なら、
BM+500mm
というように表すことができます。
基準点を一つ決めておけば、現場のさまざまな場所の高さを同じ基準で管理できます。
ベンチマークはどこに設ける?
建築工事では、工事中に基準点が動いたり、なくなったりすると高さを正確に確認できなくなるおそれがあります。
そのため、ベンチマークを設ける場所には注意が必要です。
一般的には、
- 工事中に動きにくい場所
- 工事車両などの影響を受けにくい場所
- 確認しやすい場所
- 工事の邪魔になりにくい場所
などが選ばれます。
また、必要に応じて複数の基準点を設けることもあります。
重要なのは、工事の途中で高さの基準が変わらないようにすることです。
設計GLとの違い
建築では「GL」という言葉もよく使われます。
GLは「Ground Level(グラウンドレベル)」などを表す略称として使われ、地盤面の高さを示す際に用いられます。
ベンチマーク(BM)と設計GLは、どちらも高さに関係するため混同しやすいのですが、役割が異なります。
| 用語 | 主な役割 |
|---|---|
| BM(ベンチマーク) | 高さを測定するときの基準となる点 |
| 設計GL | 設計上設定された地盤面の高さ |
たとえば、現場の動かない場所にBMを設定し、
「BMから○○mm上を設計GLとする」
というように高さを決めることができます。
つまり、
BM=高さを測るための基準点
設計GL=設計上の地盤面の高さ
と考えると違いがわかりやすいでしょう。
なお、GLなどの表記や基準の設定方法は図面・設計・現場によって異なることがあるため、実際の工事では該当する設計図書などを確認する必要があります。
なぜ基準点が必要なの?
建物には、床、基礎、窓、屋根などさまざまな高さがあります。
もし作業する人がそれぞれ別の場所を基準に測ってしまうと、
「こちらでは10cm高い」
「別の場所では5cm低い」
といったずれが生じる可能性があります。
そこで、
基準点を決める
↓
そこから高さを測る
↓
各場所の高さをそろえる
という方法を使います。
これは、この記事で紹介してきたPCやビジネスのベンチマークにも通じる考え方です。
基準がなければ、違いを正確に判断しにくいからです。

車におけるベンチマークとは?
自動車の世界でも「ベンチマーク」という言葉が使われます。
たとえば、自動車の記事などで、
「この車は同クラスのベンチマークとなっている」
「新型車の開発で○○をベンチマークにした」
といった表現を見かけることがあります。
この場合のベンチマークとは、ほかの車を比較・評価するときの基準となる車や性能を意味します。
「ベンチマークとなる車」とは?
車にはさまざまな評価項目があります。
たとえば、
- 走行性能
- 乗り心地
- 操作性
- 静粛性
- 燃費・電費
- 安全性能
- 室内の広さ
- 使い勝手
- 品質
- 価格
などです。
ある車がそのクラスで高く評価され、多くのメーカーや利用者から比較対象にされるようになると、
「このクラスのベンチマークとなる車」
などと表現されることがあります。
つまり、ほかの車を評価するときに、
「まず、この車と比べてみよう」
と思われるような基準的な存在です。
車の開発でもベンチマークが使われる
新しい車を開発するときにも、競合車などをベンチマークとして研究することがあります。
たとえば、新しいSUVを開発する場合なら、
「ライバル車の乗り心地はどうか」
「車内の静かさはどうか」
「荷室は使いやすいか」
「ハンドリングはどうか」
などを調べ、自社が開発する車と比較します。
ここでもビジネスのベンチマーキングと同じように、単純に他社の車をまねすることが目的ではありません。
優れた部分や特徴を分析し、
「自社の車をどのように改善・差別化するか」
を考えるための比較材料として使います。
車では複数のベンチマークを設定することもある
車にはさまざまな性能があるため、すべてを1台だけと比較するとは限りません。
たとえば、
「乗り心地はA車」
「走行性能はB車」
「室内の使いやすさはC車」
といったように、評価項目ごとに異なる車を比較対象とする考え方もできます。
つまり、ベンチマークは必ずしも「この1台」という意味ではなく、特定の性能や評価項目について基準となる対象を指す場合もあります。
ベンチマーク車は必ずしも最高性能の車ではない
「ベンチマーク」と聞くと、
「一番性能が高い車」
「一番速い車」
という意味に感じるかもしれません。
しかし、必ずしもそうではありません。
たとえば、スポーツカーとファミリーカーでは、求められる性能が違います。
ファミリーカーなら最高速度よりも、
- 乗り降りのしやすさ
- 室内の広さ
- 荷物の積みやすさ
- 燃費
- 安全性
などが重要になることもあります。
そのため、「ベンチマークとなる車」は、単純にスペックが最も高い車ではなく、そのカテゴリーや評価項目で比較するときの基準となる車と考えるのが適切です。

ベンチマークと関連する言葉の違い
ベンチマークについて理解するうえで、「スタンダード」「KPI」「目標」「ランキング」との違いも知っておくとわかりやすくなります。
これらはベンチマークの類義語ではありませんが、ビジネスや性能評価などで一緒に使われたり、役割を混同したりすることがあります。
それぞれの意味と役割を整理してみましょう。
| 言葉 | 主な意味 | ポイント |
|---|---|---|
| ベンチマーク | 比較・評価するための基準 | 「何と比べるか」 |
| スタンダード | 標準・標準的な水準 | 「何が標準か」 |
| KPI | 目標達成までの進み具合を見る指標 | 「順調に進んでいるか」 |
| 目標 | 最終的に目指す状態や数値 | 「どこを目指すか」 |
| ランキング | 順位を示したもの | 「何位なのか」 |
違いをもう少し詳しく見ていきましょう。
ベンチマークと基準(スタンダード)の違い
「ベンチマーク」も「スタンダード」も、日本語では「基準」と訳されることがあります。
そのため、違いがわかりにくい言葉です。
スタンダード(standard)は、一般的に「標準」「標準的なもの」「一定の水準」といった意味で使われます。
一方、ベンチマークは、ほかのものと比較・評価するときの基準という意味合いが強い言葉です。
たとえば、スマートフォンについて考えてみましょう。
「現在は○○GB程度のストレージ容量が一般的になっている」
という場合は、標準的な水準という意味で「スタンダード」に近い考え方です。
一方、
「A機種を基準にしてB機種とC機種の性能を比較する」
のであれば、A機種がベンチマークになります。
つまり、
スタンダード=一般的・標準的な水準
ベンチマーク=比較するときの物差し
と考えると違いがわかりやすいでしょう。
ベンチマークとKPIの違い
KPIは「Key Performance Indicator(重要業績評価指標)」の略です。
目標を達成するまでの進み具合を確認するために設定する重要な指標です。
たとえば、ネットショップで年間売上を増やすことを目標にした場合、
- 月間アクセス数
- 商品購入率
- 平均購入金額
- リピート率
などをKPIとして設定することがあります。
一方、ベンチマークは、それらを比較するときの基準として利用できます。
たとえば、
「自社の商品購入率:2%」
「業界平均の商品購入率:3%」
だった場合、業界平均の3%を比較基準として見ることができます。
この場合、
商品購入率=KPIとして確認する指標
業界平均=比較するときのベンチマーク
という関係になります。
KPIとベンチマークは競合する考え方ではなく、組み合わせて使うこともできます。
ベンチマークと目標の違い
ベンチマークと目標も混同しやすい言葉です。
目標は、
「売上を10%増やす」
「顧客満足度を90%にする」
「作業時間を20%短縮する」
など、これから到達したい状態や数値を示します。
一方、ベンチマークは現在の状態などを比較・評価するための基準です。
たとえば、
「競合企業A社の顧客満足度が90%」
だったとします。
A社を比較対象として分析するなら、A社の実績がベンチマークになります。
その結果、
「自社も顧客満足度90%を目指そう」
と決めれば、90%が目標になります。
つまり、
ベンチマーク=比較・評価の基準
目標=これから目指す地点
です。
ただし、ベンチマークとなる数値を参考にして目標を設定することはあります。
ベンチマークとランキングの違い
ランキングは、複数の商品やサービスなどを一定の基準で並べ、順位を示したものです。
たとえば、
「スマホ性能ランキング1位」
「売上ランキング3位」
などです。
一方、ベンチマークは順位そのものを表す言葉ではありません。
あるスマホをベンチマークとして別のスマホと比較しても、
「1位・2位・3位」
と順位をつける必要はありません。
重要なのは、基準と比べてどのような違いがあるのかを判断することです。
したがって、
ランキング=順位を示す
ベンチマーク=比較するための基準を示す
という違いがあります。

ベンチマークとランドマークの違い
「ベンチマーク」とよく似た言葉に「ランドマーク(landmark)」があります。
どちらも「○○マーク」という言葉なので混同しやすいのですが、意味は異なります。
ランドマークとは?
ランドマークとは、簡単にいうと「場所を見分けるための目印」です。
たとえば、
- 高いタワー
- 有名な建物
- 山
- 記念碑
- 大きな橋
など、その地域を象徴したり、場所を確認する目印になったりするものがランドマークと呼ばれます。
「駅前のタワーをランドマークにして待ち合わせる」といったイメージです。
また、「その時代を象徴する出来事・作品」といった比喩的な意味で使われることもあります。
ベンチマークとランドマークは何が違う?
一番大きな違いは、「基準」なのか「目印」なのかです。
| 言葉 | 簡単な意味 | 主な役割 |
|---|---|---|
| ベンチマーク | 比較・測定するための基準 | 比べる・測る |
| ランドマーク | 場所などを見分ける目印 | 見つける・識別する |
たとえば、
「このスマホをベンチマークにして性能を比較する」
なら、そのスマホを「比較の基準」にしています。
一方、
「東京タワーは東京を代表するランドマークの一つ」
という場合は、地域を象徴する「目印」という意味です。
つまり、
ベンチマーク=物差し
ランドマーク=目印
と覚えると違いがわかりやすいでしょう。
建築では少し紛らわしい
面白いのが、ベンチマークもランドマークも建物や場所に関連して登場することです。
建築・測量のベンチマーク(BM)は、高さなどを測るための基準点です。
一方、ランドマークは、その地域を象徴したり、場所を認識する目印になったりする建物などを指します。
同じ建築物に関連していても、
BM → 測定の基準
ランドマーク → 場所の目印・象徴
と役割がまったく違います。

ベンチマークの使い方・例文
ベンチマークは、使われる分野によって文章の意味が少し変わります。
ここでは、PC・スマホ、ビジネス、投資、日常的な表現に分けて例文を紹介します。
PC・スマホでの使い方
PCやスマートフォンでは、主に性能測定や性能比較について使います。
例文:
「新しいCPUのベンチマーク結果を確認する」
「このスマホはベンチマークスコアが高い」
「ゲームを購入する前にベンチマークテストを実行した」
「同じ条件でベンチマークを取って性能を比較する」
この場合は、性能を測定するテストや、その結果として得られる数値を指して「ベンチマーク」と表現していることがあります。
また、
「ベンチマークを取る」
「ベンチマークを回す」
といった言い方もあります。
「ベンチマークを回す」は、ベンチマークソフトなどを実行して性能を測定するという意味で使われる表現です。
ビジネスでの使い方
ビジネスでは、企業や商品、サービス、業務などを比較するときに使われます。
例文:
「業界トップクラスのA社をベンチマークにする」
「競合他社をベンチマークしてサービスを改善する」
「他社の顧客対応をベンチマークとして分析する」
「業界平均をベンチマークにして自社の実績を評価する」
この場合のベンチマークは、PCのような性能テストではありません。
企業や数値などを比較の基準にするという意味です。
また、「A社をベンチマークする」という表現では、A社を比較対象として調査・分析するという意味で使われます。
投資での使い方
投資では、運用成績を比較するための指数などについて使います。
例文:
「この投資信託はTOPIXをベンチマークとしている」
「運用成績がベンチマークを上回った」
「ファンドの成績をベンチマークと比較する」
「どの指数をベンチマークとしているのか確認する」
この場合は、運用成績が良いか悪いかを相対的に判断するための基準という意味です。
単に利益が出たかどうかだけでなく、基準となる指数などと比較して評価します。
日常会話での使い方
ベンチマークは専門用語として使われることが多いため、普段の日常会話で頻繁に登場する言葉ではありません。
ただし、広い意味では、
「比較の基準」
「お手本」
「目安」
などに近い意味で使われることがあります。
たとえば、
「この商品が業界のベンチマークになっている」
なら、
「ほかの商品を評価するときの基準となる代表的な商品」
という意味です。
また、
「このサービスをベンチマークにする」
なら、
「このサービスを比較対象や参考にする」
と考えるとわかりやすいでしょう。
ただし、すべての場合で「お手本」と言い換えられるわけではありません。
PCのベンチマークテストや投資のベンチマークなどでは、「比較基準」「指標」と考えたほうが意味を正確につかめます。
場面によって言い換えるとわかりやすい
「ベンチマーク」が難しく感じる場合は、文章に合わせて日本語に置き換えてみると意味を理解しやすくなります。
| 使用場面 | わかりやすい言い換え |
|---|---|
| PC・スマホ | 性能を比較する指標・性能テスト |
| ビジネス | 比較対象・比較基準・参考にする事例 |
| 投資 | 運用成績を比較する指標 |
| 建築・測量 | 高さを測るための基準点 |
| 車 | 比較・評価の基準となる車や性能 |
「ベンチマーク=いつでも同じ日本語に置き換えられる」と考えず、どの分野で使われているかを見ることがポイントです。
ベンチマークを見るときの注意点
ベンチマークは、PCやスマホの性能、企業の実績、投資の運用成績などを比較するときに便利です。
しかし、ベンチマークだけを見て「良い・悪い」を決めてしまうと、実際とは異なる評価になることがあります。
ベンチマークを上手に活用するために、いくつか注意したいポイントがあります。
数値だけで良し悪しを判断しない
PCやスマホでは、ベンチマークスコアが数値で表示されるため、
「スコアが高い=絶対にこちらのほうが良い」
と思ってしまいがちです。
しかし、ベンチマークは特定の条件で測定した結果です。
たとえば、スマホなら処理性能が非常に高くても、
- バッテリー持ち
- カメラ性能
- 本体の重さ
- 画面の見やすさ
- 操作性
- 価格
などまでベンチマークスコアだけで判断できるわけではありません。
PCでも、用途によって必要な性能は異なります。
インターネットや文書作成が中心なら、非常に高いGPU性能が必要とは限りません。
ベンチマークは、あくまで判断材料の一つとして利用しましょう。
比較条件をそろえる
ベンチマークで正しく比較するには、できるだけ条件をそろえることが重要です。
PCやスマホなら、
- 使用するベンチマークソフト
- ソフトのバージョン
- OS
- 画質や解像度などの設定
- 電源や省電力の設定
- 本体の温度
などによって結果が変わる場合があります。
異なる条件で測定したスコアを単純に比べても、正確な比較にならないことがあります。
投資の場合も同じです。
1年間の運用成績と5年間の運用成績をそのまま比較するのではなく、同じ期間や条件で見ることが大切です。
ベンチマークは「同じ条件で比べる」ことが基本です。
分野によって「何を基準にしているか」を確認する
この記事で紹介してきたように、「ベンチマーク」という言葉はさまざまな分野で使われています。
PCなら性能を比較するための指標、ビジネスなら他社や優れた事例、投資なら株価指数など、建築・測量なら高さを測るための基準点です。
そのため、「ベンチマーク」という言葉を見つけたら、
「この場合は何を基準にしているのだろう?」
と考えてみると意味を理解しやすくなります。
同じ言葉でも、分野によって具体的な意味が違うことを覚えておきましょう。
ベンチマークは絶対的な評価ではない
ベンチマークは、基本的に何かと比較して評価するために使われます。
つまり、相対的な評価です。
たとえば、あるPCがベンチマークで高いスコアを記録していても、自分の用途に必要以上の性能であれば、価格とのバランスが良いとは限りません。
車でも、走行性能を重視する人と室内の広さを重視する人では、評価するポイントが違います。
投資でも、ベンチマークを上回ったという事実だけで、その金融商品についてすべてを評価できるわけではありません。
「何と比べているのか」「何を評価したいのか」まで確認することが、ベンチマークを正しく見るポイントです。

ベンチマークで勘違いしやすいポイント
最後に、ベンチマークについて特に勘違いしやすいポイントを整理しておきましょう。
ベンチマーク=性能テストだけではない
PCやスマホに詳しい人は、
「ベンチマーク=性能を測定するテスト」
というイメージを持っているかもしれません。
確かにPCやスマホでは、その意味で使われることが多くあります。
しかし、ベンチマークという言葉そのものは、もっと幅広い意味を持っています。
ビジネスでは比較対象となる企業や事例、投資では運用成績を比較するための指標、建築・測量では高さを測るための基準点などを指します。
つまり、PCのベンチマークテストは、ベンチマークという言葉の使われ方の一つです。
ベンチマーク=目標とは限らない
ベンチマークを「目標」という意味だと思うこともありますが、厳密には同じではありません。
ベンチマークは比較・評価するときの基準です。
一方、目標はこれから到達したい状態や数値です。
たとえば、
「競合A社の売上をベンチマークとして分析する」
ことと、
「来年度の売上を10%増やすことを目標にする」
ことでは役割が異なります。
ただし、ベンチマークを参考にして目標を決めることはあります。
そのため、両者は関係していますが、同じ意味ではありません。
数値が高ければ必ず優れているわけではない
特にPCやスマホでは注意したいポイントです。
ベンチマークスコアが高ければ、そのテストにおいて高い性能を発揮したと考えられます。
しかし、それが自分にとって最も良い製品であるとは限りません。
たとえば、
「Aスマホはベンチマークスコアが非常に高いが高価」
「Bスマホはスコアでは劣るが、自分の用途には十分で価格も安い」
という場合、Bスマホのほうが自分に合っている可能性があります。
性能の高さと、自分にとっての使いやすさ・価値は別と考えましょう。
分野によって意味や使い方が変わる
ベンチマークで最も重要なのが、この点です。
同じ「ベンチマーク」でも、
| 分野 | 意味 |
|---|---|
| PC・スマホ | 性能を測定・比較するための指標 |
| ビジネス | 他社や優れた事例などとの比較基準 |
| 投資 | 運用成績を比較するための指標 |
| 建築・測量 | 高さなどを測定するための基準点 |
| 車 | 性能や価値を比較するための基準となる車・項目 |
というように使われます。
すべてに共通しているのは、
「何かを測ったり、比べたり、評価したりするときの基準」
という考え方です。
この共通点を覚えておけば、知らない分野で「ベンチマーク」という言葉が出てきても意味を推測しやすくなります。

ベンチマークについてよくある質問
ベンチマークとは簡単にいうと何ですか?
簡単にいうと、何かを比較・評価するときに使う「基準」や「物差し」です。
PC・スマホ、ビジネス、投資、建築など、使われる分野によって具体的な意味は変わります。
ベンチマークテストとは何ですか?
PCやスマホなどに一定の処理を行わせ、性能を測定・数値化するテストです。
CPUやGPU、ストレージなどの性能を比較するために使われます。
ただし、テスト結果が実際の使用感と完全に一致するとは限りません。
ベンチマークスコアは高いほどいいのですか?
基本的には、同じベンチマークテスト・同じ条件であれば、スコアが高いほどそのテストで高い性能を示したと考えられます。
ただし、ベンチマークソフトによってスコアの意味は異なります。
また、バッテリー持ち、価格、操作性などは別に考える必要があります。
ビジネスで「ベンチマークする」とはどういう意味ですか?
他社の商品・サービス・業務などを比較対象として調べ、自社との違いを分析することです。
優れている部分や成功している理由を調べ、自社の改善につなげます。
単に他社をまねするという意味ではありません。
投資のベンチマークとは何ですか?
投資信託やポートフォリオなどの運用成績を比較・評価するための基準となる指数などです。
日本株ではTOPIXなど、米国株ではS&P 500などが比較の基準として使われる場合があります。
どのベンチマークが使われるかは投資対象や商品によって異なります。
建築で使うBMとは何ですか?
BMは「Benchmark(ベンチマーク)」の略で、建築や測量では高さを測るための基準点を意味します。
この基準点をもとに、地盤や基礎、床などの高さを測定・管理します。
ベンチマークとKPIは同じですか?
同じではありません。
ベンチマークは比較・評価するための基準、KPIは目標達成までの進み具合を確認するための重要な指標です。
たとえば、自社の購入率をKPIとして確認しながら、業界平均をベンチマークとして比較する、といった使い方ができます。
ベンチマークとベンチマーキングの違いは何ですか?
ベンチマークは比較・評価するときの基準や比較対象です。
ベンチマーキングは、そのベンチマークを利用して他社などと比較・分析し、改善につなげる取り組みを指します。
簡単にいえば、
「ベンチマーク=物差し」
「ベンチマーキング=物差しを使って比較・改善する活動」
という違いです。
まとめ
ベンチマークとは、簡単にいうと「何かを比較・評価するときの基準」です。
PCやスマホだけで使われる言葉ではありません。
- PC・スマホでは性能を比較する指標
- ビジネスでは他社や優れた事例との比較基準
- 投資では運用成績を評価するための指標
- 建築・測量では高さを測るための基準点
- 車では性能や価値を比較するときの基準
というように、さまざまな分野で使われています。
一見するとまったく違う意味に感じますが、どれも「基準を決め、それと比べて測定・評価する」という考え方でつながっています。
また、ベンチマークは絶対的な評価ではありません。
PCやスマホならスコアだけでなく実際の使い方、ビジネスなら自社の目的、投資なら比較する指数や期間なども確認することが大切です。
「ベンチマーク」という言葉を見かけたら、まずは「何を基準にして、何と比べているのか」を確認すると、意味を理解しやすくなるでしょう。