是非に及ばずとはどういう意味?織田信長の言葉とされる由来や使い方を解説

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乃木坂46の楽曲『是非に及ばず』のリリースをきっかけに、「是非に及ばず」という言葉が気になった人も多いのではないでしょうか。

普段の会話ではあまり使わない言葉ですが、どこか重みがあり、歴史を感じさせる響きがあります。

この言葉は、戦国武将・織田信長が本能寺の変の際に口にしたと伝えられる言葉としても有名です。

ただし、本当に信長本人が言ったのかについては、断定できるものではありません。あくまで「そう伝えられている言葉」として理解するのがよいでしょう。

この記事では、「是非に及ばず」の意味、言葉の成り立ち、織田信長との関係、現代での使い方まで、わかりやすく解説します。


目次

是非に及ばずとはどういう意味?

「是非に及ばず」とは、

今さら良い悪いを言っても仕方がない
あれこれ論じても意味がない
やむを得ない
どうしようもない

という意味の言葉です。

何か大きな出来事が起きたあとに、

「それが正しいか間違っているかを議論しても意味がない」

という場面で使われます。

現代語で言い換えるなら、

  • 仕方がない
  • やむを得ない
  • 今さら言っても始まらない
  • 受け入れるしかない

といった表現が近いでしょう。

ただし、「是非に及ばず」には単なる諦めだけでなく、現実を受け入れる覚悟や潔さといったニュアンスも含まれています。


「是非」の意味は「ぜひお願いします」と違う

現代では「ぜひ来てください」「ぜひお願いします」のように、「ぜひ」は強く希望する意味で使われます。

しかし、「是非に及ばず」の「是非」は意味が異なります。

ここでの「是非」は、

  • 是=正しいこと
  • 非=正しくないこと

を表しています。

つまり、「是非」とは本来、

善悪や正誤を判断すること

という意味なのです。

そのため「是非に及ばず」は、

善悪を論じる必要はない
正しいか間違っているかを考えても仕方がない

という意味になります。


「及ばず」とはどういう意味?

「及ばず」は、「そこまでする必要がない」「その段階ではない」という意味です。

たとえば、

「心配には及ばない」

という言葉は、

「心配する必要はありません」

という意味になります。

同じように「是非に及ばず」は、

是非を論じる必要はない

という意味になるのです。


織田信長の言葉として有名な理由

「是非に及ばず」は、戦国武将の織田信長が言ったとされる言葉として有名です。

特に有名なのが、1582年に起きた本能寺の変です。

本能寺の変は、信長の家臣だった明智光秀が反乱を起こし、京都の本能寺を襲撃した事件です。

信長は当初、誰が攻めてきたのかわからなかったといわれています。

そして敵が明智光秀だと知った際に、

「是非に及ばず」

と言ったと伝えられています。

このため、「是非に及ばず」は信長を象徴する言葉として広く知られるようになりました。


本能寺の変とはどんな事件だったのか

「是非に及ばず」という言葉を語るうえで欠かせないのが、本能寺の変です。

本能寺の変は1582年(天正10年)6月2日に京都の本能寺で起きた事件で、戦国時代を代表する出来事のひとつとして知られています。

当時の織田信長は、全国統一まであと一歩というところまで勢力を広げていました。

その信長が京都の本能寺に滞在していた際、家臣の明智光秀が突然反旗を翻し、本能寺を包囲したのです。

光秀軍は約1万3千人ともいわれる兵力で本能寺を襲撃しました。一方、本能寺にいた信長の側近や護衛はごくわずかだったため、圧倒的に不利な状況でした。

信長は応戦したものの、多勢に無勢で勝ち目はありませんでした。

その際に、家臣から「敵は明智光秀です」と聞かされ、

「是非に及ばず」

と言ったと伝えられています。

そして信長は最後まで戦い、自ら命を絶ったとされています。

この事件によって織田政権は大きな転機を迎えましたが、その後、信長の家臣だった
豊臣秀吉
がわずか11日後の
山崎の戦い
で明智光秀を破り、天下統一への流れを引き継ぐことになります。

本能寺の変は、単なる主君への反乱ではなく、日本の歴史を大きく変えた事件として現在も研究が続けられています。

その後、信長の家臣だった豊臣秀吉が明智光秀を討ち取り、天下統一への道を引き継ぐことになります。


なぜ明智光秀は信長を裏切ったのか

本能寺の変には、今なお多くの謎が残されています。

最大の謎は、

「なぜ明智光秀は信長を裏切ったのか」

という点です。

実は、はっきりした理由は現在でもわかっていません。

そのため、歴史学者の間でもさまざまな説が唱えられています。

信長への恨み説

最も有名なのが、光秀が信長から厳しく扱われていたため反乱を起こしたという説です。

信長は能力主義の武将として知られていますが、一方で家臣にも厳しかったと伝えられています。

そのため、光秀が不満を募らせていたという見方があります。

天下取り説

光秀自身が天下人になろうと考えたという説です。

信長が少人数で本能寺に滞在している絶好の機会を利用し、自ら政権を握ろうとしたと考える説です。

黒幕説

徳川家康や朝廷、あるいは豊臣秀吉など、別の勢力が背後で関与していたのではないかという説もあります。

ただし、決定的な証拠は見つかっていません。

そのため現在では、

「光秀の動機は完全には解明されていない」

というのが一般的な見解です。


本当に信長が言ったの?

「是非に及ばず」は信長の名言として有名ですが、本人が実際に口にしたかどうかを断定することはできません。

戦国時代の出来事は、後世の記録や伝承によって伝わっているものも多くあります。

そのため、

「信長が言ったとされる言葉」
「本能寺の変の際に伝えられた言葉」

として理解するのが自然でしょう。

とはいえ、この言葉が信長のイメージと重なるため、多くの歴史作品で取り上げられています。

戦国時代の武将たちは本当に使っていた言葉なの?

「是非に及ばず」は時代劇でよく聞くような印象があります。

戦国時代の武将たちが実際に日常会話で使っていたかどうかはわかりませんが、当時の記録や軍記物には似た表現が見られます。

戦国時代は命のやり取りが日常だった時代です。

そのため、

  • 起きたことは受け入れる
  • 決まったことには従う
  • 次の行動を選ぶ

という考え方が重視されていました。

「是非に及ばず」は、そうした戦国武将の価値観を象徴する言葉として語り継がれているのかもしれません。


「是非に及ばず」は諦めの言葉なのか?

「仕方がない」という意味だけを見ると、諦めの言葉に感じるかもしれません。

しかし、「是非に及ばず」は単なる諦めとは少し違います。

そこには、

  • 現実を受け入れる
  • 覚悟を決める
  • 前を向く
  • 言い訳をしない

というニュアンスも含まれています。

本能寺の変の場面で考えると、

「もう終わりだ」

という弱気な言葉というより、

「起きてしまった以上は受け入れるしかない」

という武将らしい覚悟を表す言葉として受け取ることができます。

現代で使うとどんなニュアンスになる?

現代の日常会話で「是非に及ばず」を使う人は多くありません。

かなり古風で、少し硬い表現です。

そのため、友人同士の軽い会話で使うと、少し大げさに聞こえることがあります。

たとえば、コンビニで買おうと思っていたお菓子が売り切れていたときに、

「是非に及ばずだ」

と言うと、かなり時代劇っぽく聞こえます。

ただし、文章やブログ、SNSの投稿、歴史に関する話題では、印象的な表現として使いやすい言葉です。

特に、

避けられない状況
受け入れるしかない結果
今さら議論しても仕方がない場面
覚悟を決める場面

にはよく合います。

「是非に及ばず」の使い方と例文

ここからは、実際の使い方を例文で見ていきましょう。

例文1:予定が中止になったとき

台風の影響でイベントが中止になった。
安全を考えれば、これは是非に及ばずだ。

この場合は、「中止は残念だが、安全のためなら仕方がない」という意味になります。

例文2:結果が変えられないとき

試験の結果はすでに出てしまった。
今さら悔やんでも是非に及ばず、次に向けて準備しよう。

この場合は、「終わったことをあれこれ言っても仕方がない」という意味です。

例文3:相手の決断を受け入れるとき

本人がそこまで覚悟して決めたのなら、こちらが止めても是非に及ばずだ。

この場合は、「本人の意思が固いなら、良い悪いを言っても仕方がない」という意味になります。

例文4:ビジネス風の文章で使う場合

今回の仕様変更については、すでに決定事項であり、是非に及ばず対応を進めることとなった。

ビジネス文書で使うとかなり硬い印象になります。日常的な社内メールでは「やむを得ず」や「決定事項のため」のほうが自然な場合もあります。

例文5:少しユーモアを込めて使う場合

楽しみにしていた限定商品が売り切れていた。
無念だが、是非に及ばず。

このように、あえて大げさに使うことで、少しユーモラスな表現にもなります。

「仕方がない」との違い

「是非に及ばず」と「仕方がない」は近い意味ですが、まったく同じではありません。

「仕方がない」は日常会話でよく使われる、柔らかい表現です。

一方、「是非に及ばず」は、より古風で重みがあります。

表現意味印象
仕方がないどうにもできない日常的で軽め
やむを得ない他に方法がない改まった表現
どうしようもない解決できないやや感情的
是非に及ばず良い悪いを論じても仕方がない古風で重厚

普段の会話なら「仕方がない」で十分です。

しかし、文章に重みを出したいときや、歴史的な雰囲気を出したいときには「是非に及ばず」がよく合います。

「是非もなし」との違い

「是非に及ばず」と似た表現に「是非もなし」があります。

「是非もなし」も、意味としては「仕方がない」「どうしようもない」に近い言葉です。

どちらも古い表現で、現代では日常的にはあまり使われません。

違いをざっくり言うと、

是非に及ばず=良い悪いを論じるまでもない
是非もなし=どうにもならない、仕方がない

という感じです。

かなり近い意味なので、厳密に分けて使う必要はありませんが、「是非に及ばず」のほうが本能寺の変や織田信長の言葉として有名です。

「是非に及ばず」はポジティブにも使える?

基本的には、避けられない状況や変えられない結果に対して使うため、明るい意味の言葉ではありません。

ただし、必ずしもネガティブ一色というわけでもありません。

たとえば、

「ここまで努力してきたのなら、あとは結果を受け入れるのみ。是非に及ばずだ。」

という使い方をすると、覚悟を決める前向きな響きにもなります。

つまり、「どうせ無理だ」という投げやりな言葉ではなく、

ここまで来たら受け入れるしかない
結果がどうであれ、腹をくくる

という意味で使うこともできます。

乃木坂46の楽曲タイトルとしての「是非に及ばず」

乃木坂46の楽曲タイトルとして「是非に及ばず」という言葉が使われたことで、この言葉を初めて知った人もいるかもしれません。

アイドルグループの楽曲タイトルに、歴史を感じさせる古い言葉が使われるのは印象的です。

「是非に及ばず」という言葉には、

避けられない運命
受け入れるしかない現実
覚悟
迷いを断ち切る感じ

といったイメージがあります。

もちろん、楽曲そのものの解釈は歌詞や公式情報にゆだねるべきですが、言葉の意味を知ってから曲名を見ると、より深く味わえるかもしれません。

「是非に及ばず」が現代人の心にも響く理由

「是非に及ばず」という言葉が400年以上たった今でも語り継がれているのはなぜでしょうか。

その理由のひとつは、現代人にも共感できる場面があるからです。

人生には、

  • 試験に落ちる
  • 仕事で失敗する
  • 予定が中止になる
  • 思い通りにならない

といった出来事が少なくありません。

そんなときに、

「なぜこうなったんだろう」
「どうして自分だけが」

と考え続けても、状況は変わらないことがあります。

もちろん反省は大切ですが、ある程度のところで現実を受け入れ、前へ進まなければならない場面もあります。

「是非に及ばず」は、

ただの諦めではなく、現実を受け止めて次へ進むための言葉

として、現代にも通じる魅力を持っているのかもしれません。

なぜ今でも語り継がれているのか

本能寺の変から400年以上が経った現在でも、「是非に及ばず」は多くの人に知られています。

その理由のひとつは、短い言葉の中にさまざまな意味が込められているからでしょう。

この言葉からは、

  • 裏切りへの驚き
  • 運命を受け入れる覚悟
  • 善悪を超えた現実
  • 武将としての潔さ

などを感じ取ることができます。

だからこそ、小説やドラマ、ゲームなどでもたびたび取り上げられているのです。


よくある質問(Q&A)

Q. 「是非に及ばず」を現代語にすると?

「仕方がない」「やむを得ない」「今さら言っても始まらない」が近い意味です。

Q. 織田信長が本当に言ったのですか?

信長が言ったと伝えられていますが、歴史的に完全に証明されているわけではありません。

Q. 「ぜひお願いします」の「ぜひ」と同じですか?

漢字は同じですが意味は異なります。「是非に及ばず」の「是非」は善悪や正誤を意味します。

Q. 日常会話で使えますか?

意味は通じますが、かなり古風な表現です。日常では「仕方がない」のほうが自然です。

Q. 「是非に及ばず」はネガティブな言葉ですか?

単なる諦めではなく、現実を受け入れる覚悟や潔さを表す言葉として使われることもあります。


まとめ

「是非に及ばず」とは、「今さら善悪を論じても仕方がない」「やむを得ない」という意味を持つ言葉です。

織田信長が本能寺の変の際に口にしたと伝えられることで広く知られるようになりました。

短い言葉ですが、その中には現実を受け入れる覚悟や潔さが込められています。

乃木坂46の楽曲タイトルをきっかけに興味を持った人も、この言葉の意味や歴史的背景を知ることで、日本語の奥深さや戦国時代のロマンをより感じられるのではないでしょうか。

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