
春から秋にかけて見かけることが多くなるカメムシ。独特のにおいや室内への侵入に悩まされる方も多いのではないでしょうか。しかし一口にカメムシといっても、実はさまざまな種類が存在し、それぞれの特徴や対策方法も異なります。この記事では、日本でよく見られるカメムシの種類と見分け方を紹介し、家庭でできる効果的な対処法を分かりやすく解説します。
カメムシとは?その生態と種類の紹介
カメムシの基本情報:形態や生態
カメムシは、半翅目に属する昆虫で、独特の悪臭を放つことで知られています。主に草木に生息し、植物の汁を吸って生きています。成虫の多くは楕円形の体を持ち、硬い前翅と軟らかい後翅が特徴です。
日本で見られるカメムシの種類
日本には100種類以上のカメムシが生息しており、身近なものには以下のような種類があります:
- クサギカメムシ
- ツヤアオカメムシ
- ホオズキカメムシ
- マルカメムシ
- アオクサカメムシ
- ミナミアオカメムシ
それぞれに体色や模様、好む植物などに違いがあるため、外見の特徴から見分けが可能です。
ホオズキカメムシやツヤアオカメムシの特徴
ホオズキカメムシは鮮やかなオレンジ色の斑点があり、果実を好んで吸汁します。ツヤアオカメムシは光沢のある金緑色で、主にイネ科植物を吸汁するため、農作物への影響も大きいです。
茶色いカメムシと緑色のカメムシの違いとは?特徴と対策を解説
カメムシにはさまざまな種類がありますが、特に目立つのが「茶色」と「緑色」のカメムシです。色の違いだけでなく、生態や被害の傾向、対処法にも違いがあるため、正しく見分けて適切に対応することが重要です。
茶色いカメムシの特徴

主な種類
- クサギカメムシ
- ホオズキカメムシ
- マルカメムシ
特徴
- 体色は茶色~暗褐色で、樹皮や建物の外壁に同化しやすい
- 比較的寒さに強く、越冬のために秋になると家屋に侵入しやすい
- 強い悪臭を発する
主な被害
- 果樹や野菜への吸汁被害
- 家屋への侵入(洗濯物や窓の隙間など)
- 屋内で潰してしまった場合、悪臭が残る
緑色のカメムシの特徴

主な種類
- ツヤアオカメムシ
- アオクサカメムシ
- ミナミアオカメムシ
特徴
- 鮮やかな緑色で、葉の上にいると保護色になる
- 主に夏場に活動が活発
- 果実やイネ科植物を好んで吸汁する
主な被害
- 果実の外観を損なう吸汁痕
- 農作物(特に米や果物)の品質低下
- 天然フェロモンを使った誘引トラップが有効な場合もある
茶色と緑の違いを表で比較
特徴項目 | 茶色のカメムシ | 緑色のカメムシ |
---|---|---|
主な種類 | クサギカメムシ、ホオズキカメムシ | ツヤアオカメムシ、アオクサカメムシ |
主な季節 | 秋〜冬に多く見られる | 春〜夏に活動が活発 |
生息場所 | 家屋や木の幹 | 葉の上、農地や果樹園 |
被害内容 | 室内侵入、強い臭い、農作物被害 | 果物やイネなどの農作物被害 |
駆除対策 | 隙間対策、忌避剤、防虫ネット | 捕獲トラップ、農薬、防虫植物 |
まとめ:色で見分けて、正しい対策を
茶色のカメムシは主に越冬目的で家屋に侵入しやすく、屋内対策が重要です。一方、緑色のカメムシは農作物への被害が中心で、屋外での防除が鍵になります。色によって生態と被害傾向が異なるため、それぞれの特性を知った上で適切に対応しましょう。
カメムシが寄ってくる原因
カメムシが好む環境とは?
日当たりがよく、草木が多く生い茂る場所を好みます。秋になると、越冬場所を求めて建物の隙間や日差しのある壁面に集まってきます。
植物や食べ物が寄せ付ける理由
カメムシは果物や野菜の甘い匂いに惹かれるほか、室内で発する灯りにも集まってくる習性があります。特に、洗濯物に付着して屋内に持ち込まれるケースが多く報告されています。
季節ごとの活動と侵入経路
春から夏にかけては繁殖活動が活発になり、秋には越冬のため家屋に侵入。換気口や網戸の隙間、窓のサッシ部分などが主な侵入経路です。
家庭でできるカメムシ対策

寄せ付けない方法:忌避剤やハーブの活用
ハッカ油やユーカリ精油を使ったスプレーは、カメムシの嫌う香りとして有効です。ミントやラベンダーなどのハーブを植えるのも予防策となります。
効果的な駆除方法:スプレーと殺虫剤
市販のピレスロイド系スプレーを使用すると速効性があります。ただし、刺激すると悪臭を放つため、窓の外で処理するのが理想です。
ペットボトルを使った捕獲法
空のペットボトルの口をカメムシに向けて吸い込むように捕獲する方法は、匂いを防ぐためにも安全でおすすめです。処理後は密閉して廃棄しましょう。
カメムシ対策のための防虫施工

洗濯物と室内での注意点
洗濯物は日没前に取り込む、または取り込む前に軽く振るなどして確認を。衣類の間に潜んでいるケースがあるため注意が必要です。
隙間や経路を防ぐ防除策
網戸の目の細かさを見直したり、窓やドアの隙間に気密テープを貼ったりすることで、侵入経路を遮断できます。
定期的な管理の重要性
春と秋を中心に防虫ネットの張り替えや、窓枠まわりの清掃を定期的に行うことで、カメムシの定着を防ぐことが可能です。
カメムシによる被害とその対処法
農作物や家庭菜園への影響
果樹や野菜に吸汁痕を残し、商品価値を大きく下げる原因となります。とくにナス科やマメ科の作物への被害が深刻です。
大量発生を防ぐための予防策
雑草の除去や、収穫後の作物の早期片付け、ビニールハウスの密閉管理が有効です。
カメムシに遭遇した際の退治法
布などでそっと包む、またはガムテープで捕らえて密封処分するのも効果的。刺激を与えずに処理することが悪臭防止のカギです。
カメムシの天敵と共生の重要性
自然の天敵による管理方法
カマキリやアシナガバチ、クモなどがカメムシの卵や幼虫を捕食します。農薬を減らしてこれらの生物を保護することで、自然防除が可能になります。
農業における生態系の役割
多様な昆虫や動物がバランスを取りながら共存することで、一部の害虫だけが大量発生するのを防ぐことができます。
カメムシを活用する方法とは?
一部の研究ではカメムシのフェロモンを利用したトラップ開発や、農業害虫のモニタリングにも応用されています。
カメムシのニオイとその原因
悪臭のメカニズムと影響
臭腺から分泌される成分(アルデヒド類やエステル類)が原因で、刺激臭が長時間残ります。布や家具に付着すると、洗浄しても取れにくい場合があります。
ニオイを和らげる方法
アルコールや中性洗剤を含んだ水で拭き取ると効果的。消臭スプレーを併用するのもおすすめです。
臭いを避けるための対策
つまんだり潰したりせず、ペットボトルなどで物理的に隔離する方法が理想的です。屋内に侵入させない予防も重要です。
実践的なカメムシ対策まとめ
効果的な方法の振り返り
カメムシの対策は、「寄せ付けない」「侵入させない」「発見したら静かに駆除する」という3つのステップが基本です。
家庭でできるカメムシ撃退法
ペットボトル捕獲法やハーブスプレー、防虫ネットの設置など、低コストかつ効果的な方法を組み合わせましょう。
カメムシ防除の最新情報と施策
自治体によっては年ごとに防除指針が発表されています。ホームページや農協の広報誌などから最新情報をチェックしましょう。