
「着いていく」と「付いていく」は、どちらも「ついていく」と読むため、同じように思われがちです。
しかし実際は、使う場面・意味・ニュアンスがまったく異なる表現です。
この記事では、正しい使い分け方や例文、会話での自然な使い方を、初心者にもわかりやすく紹介します。
「着いていく」の基本を理解しよう
「着いていく」のコア意味
- 到着をともなう同行を表します。
「だれか(先導者)と同じルートで目的地まで動き、最終的に着く」というイメージ。 - 物理的に一緒に移動する場面が中心です。気持ちや意見への“追随”は「付いていく」を使います。
例
- 「駅まで着いていくね」=いっしょに駅に到着する
- 「先生のうしろを着いていく」=先生の後を歩いて目的地へ
文型・助詞の使い方(最短ガイド)
- 人に/人の後を+着いていく
例:先輩に着いていく/先輩の後を着いていく - 場所まで/場所へ・に+着いていく
例:学校まで着いていく/会場へ着いていく
※ゴールを強調するときは「まで」が最も自然。 - 人を+場所まで+(に)着いていく は不自然になりがち。
→ 自然:人に着いて(人と一緒に)場所まで行く
→ ていねい:同行する/ご一緒する
ミニ表(よく使う組み合わせ)
| 目的語 | 助詞 | 例 |
|---|---|---|
| 先導する人 | に/の後を | 先生に着いていく/先生の後を着いていく |
| 目的地 | まで | 駅まで着いていく |
| 進路・列 | に沿って/を | 行列に沿って着いていく/列を着いていく(口語寄り) |
活用と文体(口語/敬語)
- 基本形:着いていく/着いていった/着いていこう(意志)
- 進行:着いていっている(今まさに同行中)
- 否定:着いていかない(同行しない)
- 敬語・ビジネスでは言い換えが自然
- ふつう:本社まで着いていきます
- ビジネス:本社までご一緒します/同行いたします(より丁寧・誤解がない)
メモ:可能形は「付いていく(=追随できるか)」で使うことが多く、
「着いていける(到着同行できる)」は不自然になりやすいので避けるのが無難。
ニュアンスのポイント
- ゴール(到着)重視:道案内・送り迎え・引率など
- 先導者がいる関係:だれかの後ろについて進む
- 距離は物理的:心理・方針の話には通常使わない
自然な言い換え
- カジュアル:一緒に行く/あとを追う
- ていねい:ご一緒する/同行する
- フォーマル書き言葉:同行(名詞化)
具体例
通学・送迎
- 「校門まで着いていくから、信号は一緒に渡ろうね。」
- 「今日は塾までご一緒します。」(保護者→先生)
仕事・来訪アテンド
- 「受付から会議室までご案内(=同行)いたします。」
- 「駅まで着いていきますので、この道をまっすぐです。」
旅行・道案内
- 「初めての道なら、私がホテルまで着いていくよ。」
- 「タクシー乗り場までご一緒します。」
よくある誤用と直し方
- ×「話のテンポに着いていけない」
→ 〇「話のテンポに付いていけない」(心理・能力の追随は付) - ×「学校まで付いていく」
→ 〇「学校まで着いていく」(到着同行は着) - ×「社長の方針に着いていく」
→ 〇「社長の方針に付いていく」/ビジネス文は「準拠する」等も可
迷ったときの即判定フロー
- 物理的に一緒に移動して最終的に到着? → 着いていく
- 意見・スピード・流れに“追随”? → 付いていく
- ビジネス場面で丁寧に? → 同行する/ご一緒する に置き換え
ワンポイント:表記の揺れ
- 会話調・やわらかさ重視ならひらがな「ついていく」もOK。
「
30秒クイック小テスト(読者参加コンテンツ)
- 「新人研修、部長の説明に( )いけない。」
→ 付いて(心理・理解) - 「バス停まで( )いくから、この道を右ね。」
→ 着いて(到着同行) - 「取引先まで( )します。」(メール文)
→ 同行/ご一緒(丁寧な言い換え)
「着いていく」の正しい漢字表記と例文
「着いていく」はどんなときに「着」を使う?
「着いていく」は、「目的地に到着するまで一緒に行く」という行動を表します。
ここで使われる「着(つ)く」は、「到着・到達」を意味する漢字であり、物理的な“移動の結果”を強調するときに用いられます。
「着」のイメージ
- 到着の着:「駅に着く」=ある場所に到達する
つまり「着いていく」は、
“だれかを追って、その人と同じ目的地に到着する”
という行為を表現しています。
「ついていく」とひらがなで書く場合との違い
現代の日本語では、「着いていく」も「ついていく」も意味は同じですが、
使う文体によって印象が変わります。
| 表記 | 主な使われ方 | 印象・ニュアンス |
|---|---|---|
| 着いていく | 意味を明確にしたい文書・説明文 | 正確・少し硬い |
| ついていく | 会話文・ブログ・小説など | 柔らかい・自然 |
| 付いていく | 別の意味(人・考えに従う) | ※混同注意 |
ポイント:
- 「どこまで」「どこへ」といった移動先が明確なときは「着いていく」
- 会話文や親しい文体では、柔らかく「ついていく」でも問題なし
例:
- 正式な書き言葉 → 「駅まで着いていく」
- 会話やブログ → 「駅までついていくね」
「着いていく」の文法的構成
「着いていく」は、次の2語から成り立っています。
「着く」+補助動詞「いく」
- 「着く」:到着するという主動詞
- 「いく」:動作の方向性(先へ向かう)を示す補助動詞
したがって、「着いていく」は「(一緒に)着いて、さらに進む」という連続動作を表す複合動詞です。
似た構成の言葉
- 走っていく/歩いていく/持っていく/連れていく
→ いずれも「〜してから、移動していく」という流れを持つ
「着いていく」を使った正しい例文(シーン別)
🔹日常会話での例
- 「友達と駅まで着いていくよ。」
→ 一緒に移動して目的地に到達するイメージ。 - 「迷子にならないように、私の後を着いてきてね。」
→ “一緒に到着する”感覚をやさしく伝える。
🔹学校・子どもとのやりとり
- 「お母さんが校門まで着いていくから大丈夫よ。」
- 「先生に着いていったら、すぐ分かるよ。」
→ 子どもに安心感を与えるような場面でよく使われます。
🔹ビジネス・フォーマルな場面
- 「お客様のところまでご一緒いたします(=着いていきます)。」
- 「会場まで同行いたします。」
→ 「着いていく」をそのまま使うよりも、同行/ご一緒などの敬語表現が自然。
🔹旅行・道案内の場面
- 「初めて行く場所だから、一緒に着いていこう。」
- 「ガイドさんの後を着いていったら、すぐ展望台に着いた。」
「着いていく」が使われにくいケース
- 心理・抽象的な「ついていけない」「考えに付いていく」は“付”を使う。
- 状況の変化や人の意見に“合わせる”場合は「付いていく」が正解。
例:
×「時代の流れに着いていけない」
〇「時代の流れに付いていけない」
「着いていく」を使うときの注意点
- ゴールの存在が前提
- 「どこへ着くのか」が明確でない文では不自然。
例:×「彼についていく(目的地が不明)」→〇「彼に付いていく」 - 物理的同行を表す
- 感情・意見・能力の追従では使わない。 - 文章全体のトーンで表記を調整
- かたい文:漢字
- 会話文:ひらがな
書き換え・言い換えパターン集
| 元の表現 | 言い換え例 | 適した場面 |
|---|---|---|
| 駅まで着いていく | 一緒に駅へ行く | カジュアルな会話 |
| 先輩に着いていく | 後を追う/同行する | 丁寧・ビジネス |
| 迷子の子に着いていった | 保護した/案内した | ニュース・報告書 |
| 社長に着いていく | 社長に付いていく(方針に従う意味) | 誤用注意 |
よくある疑問Q&A
Q1. 「ついて行く」と「ついていく」はどちらが正しい?
→ どちらも正しいが、現代では「ついていく」が一般的。
「行く」を漢字で書くと少し堅く見えるため、会話や説明文では平仮名の方が自然です。
Q2. 「着いていってあげる」は正しい?
→ 〇 正しい。
「〜してあげる」は相手を思いやる言い方で、やさしいニュアンスになります。
まとめ:使い分けの目安
| 表現 | 意味 | 主な用途 | 書き方 |
|---|---|---|---|
| 着いていく | 一緒に移動して目的地に着く | 道案内・同行 | 「着」も「つ」もOK |
| 付いていく | 人や意見に従う | 心理・関係性 | 「付」必須 |
| ついていく | やわらかく表現したいとき | 会話・ブログ | 平仮名 |
この章をこのように深掘りすると、
- 「漢字と意味の対応」
- 「表記の使い分け」
- 「例文と誤用例」
の3点が明確に整理され、SEO的にも「着いていく 意味」「ついていく 表記」「違い 例文」で強くなります。
「付いていく」とは?その意味と使い方
「付いていく」の基本的な意味
「付いていく」は、人・考え・行動などに従って共に動く、または合わせることを表す言葉です。
物理的な“移動”というよりも、精神的・抽象的なつながりや従属を表現する点が特徴です。
コアイメージ
- 「着いていく」=一緒に行って到着する
- 「付いていく」=相手の行動・考え・変化に合わせて動く
「付く」の意味と漢字の背景
「付く」は、くっつく・従う・寄り添うなど、相手や物に“接して動く”イメージを持つ漢字です。
| 意味 | 例 |
|---|---|
| 接する・貼りつく | シールが付く、汚れが付く |
| 関係ができる | 名前に肩書が付く |
| 従う・追従する | 先生に付く(弟子入り) |
「付いていく」もこの派生で、
「だれか・何かに従って、一緒に行動する・合わせる」
という意味で使われます。
「付いていく」が使われる主な場面
🔹人間関係や組織での従属
- 「上司の方針に付いていく」=考えや行動に合わせる
- 「チームの意見に付いていく」=自分も同調する
🔹能力・スピード・変化への追随
- 「授業のスピードに付いていけない」
- 「最新の技術に付いていくのが大変」
ここでは、“理解や対応が追いつくかどうか”という抽象的なニュアンスになります。
🔹気持ち・感情のつながり
- 「もう彼の気持ちに付いていけない」
- 「親の期待に付いていくのがつらい」
→ 物理的ではなく、心理的な距離感を表す使い方です。
「付いていく」の使い方・文型
| 文型 | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| 人・考え+に+付いていく | 従う/追従する | 先生の教えに付いていく |
| 変化+に+付いていく | 適応する | 時代の流れに付いていく |
| 速度・内容+に+付いていけない | 追いつけない/理解できない | 授業のスピードに付いていけない |
「付いていく」を使った例文集
💬ビジネスシーン
- 「会社の方向性に付いていくためには、柔軟な姿勢が大切です。」
- 「チームのペースに付いていくのが精一杯です。」
💬日常会話
- 「彼の話が難しくて付いていけないよ。」
- 「流行の変化に付いていくのが大変。」
💬教育・指導の場面
- 「新しいカリキュラムに付いていけるよう頑張ります。」
- 「先生の授業スピードに付いていけない学生も多い。」
「着いていく」との違いを整理
| 比較項目 | 着いていく | 付いていく |
|---|---|---|
| 主な意味 | 一緒に行って目的地に到着する | 相手・状況に従う/合わせる |
| 対象 | 人・場所 | 考え・スピード・方針など |
| ニュアンス | 物理的・行動的 | 抽象的・心理的 |
| 例文 | 「駅まで着いていく」 | 「話に付いていけない」 |
ワンポイント:
- 「着いていく」=動作・移動の結果(到着)
- 「付いていく」=理解・感情・変化への追随
よくある誤用と修正文
| 誤用 | 正しい表現 | 解説 |
|---|---|---|
| × 学校まで付いていく | 〇 学校まで着いていく | 到着を表すので「着」 |
| × 話に着いていけない | 〇 話に付いていけない | 理解・内容の追随は「付」 |
| × 上司に着いていく | 〇 上司に付いていく(行動・方針に従う) | 抽象的な従属関係は「付」 |
心理的な「付いていけない」の深いニュアンス
「付いていけない」は単に“追いつけない”という意味ではなく、
共感できない・理解できない・気持ちが離れてしまったという心理的な距離感も含まれます。
例:
- 「もうあの人の考え方には付いていけない」=理解不能+感情的な断絶
- 「時代のスピードに付いていけない」=変化への不安・焦り
この表現は、日本語特有の“共感と距離”を伝える繊細な言い回しです。
ひらがな表記との使い分け
「付いていく」も「ついていく」とひらがなで書いて問題ありません。
ただし、以下のようなケースでは漢字表記のほうが明確で誤解を避けられます。
| 表記 | 適した場面 |
|---|---|
| 付いていく | 文章・解説・報告など、意味を正確に伝えたいとき |
| ついていく | 会話・柔らかい印象を出したいとき |
書き換え・言い換え表現
| 表現 | 言い換え例 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 方針に付いていく | 従う・賛同する | 組織的な従属 |
| 話に付いていけない | 理解できない | 能力・情報の差 |
| 時代に付いていく | 適応する・追随する | 変化への対応 |
| 彼に付いていく | 支える・共に行動する | 感情的なつながり |
まとめ|「付いていく」の本質を押さえよう
- 「付いていく」は、相手や状況に合わせる・従うという意味。
- 「着いていく」と違って、“目的地”よりも“心・理解・関係”を表す。
- 「付いていけない」は、共感できない・ついていけない気持ちも表す繊細な表現。
- 漢字の違いで伝わる印象も変わるため、文脈に応じて使い分けを意識しましょう。
「着いていく」と「付いていく」の違いを整理しよう
まずは意味の核心をつかもう
「着いていく」と「付いていく」は、どちらも「ついていく」と読むため混同されやすい言葉ですが、
実際には“行動”と“関係”というまったく異なる方向性を持っています。
| 見分け方のキーワード | 着いていく | 付いていく |
|---|---|---|
| 意味の中心 | 一緒に移動して到着する | 人や考えに従う・追随する |
| 目的 | 物理的な同行 | 抽象的・心理的な同調 |
| 動作の有無 | あり(実際に動く) | なし(気持ちや理解) |
| ゴールの有無 | ある(目的地が明確) | ない(継続・適応) |
「着いていく」は“移動を共にする”
- 主に人や場所を目的にした物理的な同行を表す。
- 到着点(ゴール)が存在するのが特徴。
例文
- 「友達と駅まで着いていく。」(→駅に到着)
- 「先生の後を着いていく。」(→目的地へ同行)
- 「お客様を玄関まで着いていった。」(→行動・到達を伴う)
「付いていく」は“従って合わせる”
- 意見・行動・スピード・感情など、形のないものに対して「合わせる・従う」という意味。
- 相手との関係性・理解・共感を表すことが多い。
例文
- 「時代の流れに付いていくのが大変。」(→変化への追随)
- 「上司の考え方に付いていく。」(→方針への同調)
- 「彼の気持ちにはもう付いていけない。」(→心理的な距離感)
ニュアンスの違いを図でイメージ
【着いていく】……動作・同行・目的地重視
人(A)→→→→→→→→→目的地◎
↑
同行する人(B)=着いていく
【付いていく】……気持ち・考え・理解重視
リーダーの方針・スピード → →
↑
合わせて動こうとする人=付いていく
つまり「着いていく」は“足でついていく”
「付いていく」は“心や頭でついていく”イメージです。
シーン別の使い分け早見表
| シーン | 正しい表現 | 間違いやすい例 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 旅行・移動 | 友達に着いていく | × 友達に付いていく | 一緒に到着する |
| 勉強・仕事 | 授業内容に付いていく | × 授業内容に着いていく | 理解・適応する |
| ビジネス | 上司の方針に付いていく | × 上司の方針に着いていく | 抽象的な従属関係 |
| 感情・人間関係 | 彼の気持ちに付いていけない | × 着いていけない | 心理的な距離 |
| 子どもの送迎 | 学校まで着いていく | × 付いていく | 物理的な移動 |
よくある誤用と正しい直し方
| 誤用 | 正しい言い方 | 解説 |
|---|---|---|
| 学校まで付いていく | 学校まで着いていく | 目的地があるから「着」 |
| 話の内容に着いていけない | 話の内容に付いていけない | 理解・追随の意味で「付」 |
| 上司に着いていく | 上司に付いていく | 行動や方針への従属なら「付」 |
| 時代に着いていく | 時代に付いていく | 移動ではなく“変化への対応” |
表記を使い分けるポイント
- ゴールがある/移動する → 「着」
- 考え・感情・スピードに合わせる → 「付」
- 迷ったら「目的地に到達する」かどうかで判断すると間違いません。
言い換えフレーズ例
| 表現 | 言い換え | ニュアンス |
|---|---|---|
| 着いていく | 一緒に行く・同行する・後を追う | 実際に動く |
| 付いていく | 従う・共感する・理解を合わせる | 心・意見・変化に合わせる |
ミニチェック!あなたならどっち?
- 「先生のあとを( )いこう。」→ 着いていこう
- 「会議の内容に( )けない。」→ 付いていけない
- 「最新トレンドに( )いくのが大変。」→ 付いていく
- 「お母さんと駅まで( )いくね。」→ 着いていく
まとめ:たった1つの見分け方
「足でついていく」=着いていく
「心でついていく」=付いていく
このように覚えると、どんな場面でも自然に使い分けられます。
日本語ではたった一文字の違いでも、印象や意味が大きく変わるため、文脈に合った漢字選びが大切です。
シーン別|自然な使い分け方
旅行・移動の場面:行動を共にする → 着いていく
旅行やお出かけなど、目的地がある移動では「着いていく」が正解です。
実際に人と一緒に動いて、到着まで同行するニュアンスを持ちます。
正しい使い方
- 「友達と駅まで着いていく。」
- 「ツアーガイドの後を着いていったら、自然に展望台に着いた。」
- 「迷子にならないように、先生に着いていきなさい。」
よくある誤用
- ×「友達と駅まで付いていく」
→ “従う・合わせる”意味になるため、物理的同行では不自然。
ワンポイント
「着いていく」は、“一緒に移動すること”そのものを表すため、
地図・案内・送迎などのシーンで自然に使えます。
学校・勉強の場面:理解・対応 → 付いていく
授業内容や勉強スピードなど、「頭でついていく」場合は「付いていく」が自然。
この場合、“到着”ではなく“理解や追従”が焦点になります。
正しい使い方
- 「授業のスピードに付いていけない。」
- 「クラスの進度に付いていくのが大変。」
- 「新しい英語の授業に付いていけるよう頑張るね。」
よくある誤用
- ×「授業のスピードに着いていけない」
→ 「着」は移動の到達を意味するため、内容理解には不適。
補足
「付いていく」は、知識やスキルの習得度を表すときにも使えます。
例:「最近のAI技術に付いていくのがやっとです。」
ビジネスシーン:方針・組織・スピード → 付いていく
職場や会社の話では、考え方・方針・変化への対応という抽象的な意味が中心になります。
このため、ビジネス文脈では「付いていく」が圧倒的に自然です。
正しい使い方
- 「会社の方針に付いていくのが難しい。」
- 「変化のスピードに付いていくには、常に学びが必要だ。」
- 「上司の考えに付いていくしかない場面もある。」
誤用例
- ×「会社の方針に着いていく」
→ “物理的に同行”という意味になるため、意図がずれる。
言い換え例
・「付いていく」→「従う」「共に進む」「歩調を合わせる」
→ 丁寧に言うと「会社の方向性に歩調を合わせていく」が自然です。
家庭・親子・友人関係:物理的同行 or 感情の共感
家庭や友人関係では、文脈によって「着」か「付」かが変わるのが特徴です。
物理的な同行(→ 着いていく)
- 「お母さんと学校まで着いていく。」
- 「子どもを病院まで着いていった。」
心のつながり・支え(→ 付いていく)
- 「どんなときもあなたに付いていく。」(=支える・従う)
- 「彼の気持ちにもう付いていけない。」(=共感できない)
補足
同じ“人に対して”使っても、
- 移動を共にする → 着いていく
- 信念や想いを共にする → 付いていく
とニュアンスが変わります。
流行・時代・社会の変化:合わせていく → 付いていく
ニュースや社会変化など、環境のスピードに対応する文脈では「付いていく」が定番。
この“追いつく・適応する”感覚がキーワードです。
正しい使い方
- 「時代の流れに付いていくのがやっと。」
- 「SNSの変化に付いていくのが大変ですね。」
- 「流行に付いていこうとしてもキリがない。」
誤用例
- ×「時代の流れに着いていく」
→ 目的地を持つ“移動”の表現になり、不自然。
ワンポイント
「付いていく」には、“取り残されないように頑張る”という前向きなニュアンスもあります。
恋愛・感情表現:共感 or 同行で変わるニュアンス
恋愛表現では、どちらの漢字も使われますが、込めたい気持ちによって使い分けます。
| 感情の方向性 | 自然な表現 | 意味・ニュアンス |
|---|---|---|
| 行動を共にしたい | 「どこまでもあなたに着いていく」 | 一緒に歩んでいく(同行) |
| 想いを支えたい | 「あなたの夢に付いていく」 | 応援・共感・支援の気持ち |
| 心が離れている | 「もう彼には付いていけない」 | 共感・理解の断絶を表す |
総まとめ|シーン別早見表
| シーン | 正しい漢字 | 例文 |
|---|---|---|
| 旅行・移動 | 着いていく | 駅まで着いていくね。 |
| 授業・学習 | 付いていく | 授業のスピードに付いていけない。 |
| 仕事・ビジネス | 付いていく | 上司の考えに付いていく。 |
| 家族・送迎 | 着いていく | 子どもを病院まで着いていく。 |
| 感情・共感 | 付いていく | あなたの夢に付いていく。 |
| 時代・流行 | 付いていく | SNSの変化に付いていくのが大変。 |
「着いていく/付いていく」を使った会話例集
日常会話の中での使用例(移動・同行)
正しい使い方:「着いていく」
A:「駅まで行くんだけど、一緒に行く?」
B:「うん、私も着いていくよ。」
→ 「一緒に移動して目的地に到着する」ニュアンス。
日常で最も自然な「着いていく」の使い方です。
間違い例
×「うん、私も付いていくよ。」
→ “従う・追随”の響きが強く、日常会話では違和感。
ビジネスシーンでの使い方(方針・行動)
正しい使い方:「付いていく」
上司:「今回の方針、スピード重視でいくからな。」
部下:「はい、なんとか付いていけるよう頑張ります。」
→ “方針や考えに合わせる”という意味。
物理的な同行ではなく、「理解・順応」の文脈です。
間違い例
×「なんとか着いていけるよう頑張ります。」
→ “一緒に目的地へ到着する”意味になり、抽象的な話では不自然。
家庭・親子での使い方(同行・安心感)
正しい使い方:「着いていく」
母親:「心配だから、学校まで着いていくね。」
子ども:「ありがとう!途中まで一緒に行こう!」
→ 目的地(学校)への同行を表す。安心を与える表現。
もう一つの使い方:「付いていく」
母親:「お兄ちゃんみたいに、ルールを守れるように頑張ろうね。」
子ども:「うん、ぼくもお兄ちゃんに付いていく!」
→ 行動や心の姿勢を“見習う・従う”という抽象的な意味。
同じ親子の会話でも、文脈で使う漢字が変わります。
恋愛・人間関係での使い方(心の距離)
信頼・支えの意味:「付いていく」
彼女:「どんな夢でも、私はあなたに付いていくから。」
彼氏:「ありがとう。心強いよ。」
→ 「あなたを支える・共に歩む」という心理的な同行。
行動を共にする場合:「着いていく」
彼女:「出張先、私も着いていこうかな。」
彼氏:「えっ、本当に?助かる!」
→ 実際に同じ場所へ行く=物理的同行。
間違い例
×「出張先、私も付いていこうかな。」
→ “方針や意見に従う”という響きが出てしまい、やや不自然。
学校・学習シーン(理解・追従)
正しい使い方:「付いていく」
先生:「このペースで進めますよ。」
生徒:「先生の説明に付いていけるよう頑張ります。」
→ “理解・把握”の意味なので「付」を使う。
学校では「付いていけない」が定番の言い回し。
間違い例
×「先生の説明に着いていけるよう頑張ります。」
→ “先生と一緒に移動する”印象になり、文脈に合わない。
時代・社会の変化に関する会話
正しい使い方:「付いていく」
A:「最近、AIとかSNSとか、変化が早いね。」
B:「ほんと。時代の流れに付いていくのがやっとだよ。」
→ “変化のスピードに合わせる”という意味で「付」。
間違い例
×「時代の流れに着いていく」
→ 到着する目的地がないため不自然。
ビジネスチームでのミーティング例
上司:「新しいプロジェクト、スピード感が命だ。各自ついてきてほしい。」
部下A:「はい、方向性に付いていきます。」(=理念・方針に従う)
部下B:「次回の訪問には私も着いていきます。」(=実際に同行する)
このように、同じ「ついていく」でも 一方は理念、もう一方は移動を表しています。
漢字を分けることで、意味の誤解を防げる好例です。
ワンポイントまとめ
| 会話シーン | 正しい表現 | 意味・ニュアンス |
|---|---|---|
| 一緒に出かける | 着いていく | 行動・同行 |
| 方針・考えに合わせる | 付いていく | 従う・順応 |
| 授業・理解 | 付いていく | 理解・追いつく |
| 家族の送迎 | 着いていく | 到着まで同行 |
| 恋人を支える | 付いていく | 心理的なつながり |
言い換え表現と感情のニュアンス
まずは基本の方向性をおさらい
「ついていく」は、場面によって2つの方向に分かれます。
| 種類 | 意味 | 主な対象 | 感情の距離 |
|---|---|---|---|
| 着いていく | 一緒に移動して目的地に到着する | 人・場所 | 近い(同行・実行) |
| 付いていく | 人・考え・スピードに合わせる | 考え・感情・変化 | やや抽象(共感・従属) |
この章では、それぞれを「どう言い換えると自然か」「どんな感情を表すか」を丁寧に見ていきましょう。
【A】「着いていく」の言い換え表現(行動・同行)
よく使う言い換え
| 言い換え表現 | ニュアンス | 使用シーン |
|---|---|---|
| 一緒に行く | 最も自然でカジュアル | 友人・家族との会話 |
| 同行する | 丁寧・ビジネス向け | 取引先や上司との移動 |
| 後を追う | 相手のあとについて進む | 旅行・行列などの状況描写 |
| ご一緒する | 丁寧語・敬語 | 案内・接客など |
| 付き添う | 看病・サポートなど | 医療・介助シーン |
例文
- 「友達と駅まで一緒に行く。」(=着いていく)
- 「お客様を会場までご一緒します。」(=着いていくの丁寧版)
- 「祖母の病院に付き添う。」(=着いていく+見守るニュアンス)
感情のニュアンス
- 「同行」…フォーマル・ビジネス的
- 「一緒に行く」…フラットで親しみやすい
- 「付き添う」…やさしさ・支援の気持ちが伝わる
【B】「付いていく」の言い換え表現(従う・共感・追随)
よく使う言い換え
| 言い換え表現 | ニュアンス | 使用シーン |
|---|---|---|
| 従う | 上下関係を意識、フォーマル | 職場・組織 |
| 賛同する | 意見や考えに共感 | 会議・議論 |
| 歩調を合わせる | 行動やスピードを合わせる | チーム活動・ビジネス |
| 共感する | 気持ちや考えを理解する | 人間関係・恋愛 |
| 寄り添う | 気持ちを支える・共にいる | 感情的・思いやり表現 |
| 頑張ってついていく | “努力して追いかける”ニュアンス | 成長・挑戦シーン |
例文
- 「上司の考えに従う。」(立場を意識した表現)
- 「チームの歩調に合わせる。」(協調的で前向き)
- 「彼女の夢に寄り添っていきたい。」(感情的・温かい)
- 「最新の流行に頑張ってついていく。」(努力・挑戦のニュアンス)
感情のニュアンス
| 言葉 | 感情の温度 | イメージ |
|---|---|---|
| 従う | 中立〜硬め | 義務・ルールに沿う |
| 歩調を合わせる | 穏やか | 協調・チームワーク |
| 共感する | 温かい | 理解・寄り添い |
| 寄り添う | 優しい | 支え・思いやり |
【C】恋愛・人間関係における表現の違い
恋愛や人間関係では、「着いていく」と「付いていく」で感情の表現が大きく変わります。
| 表現 | 意味・使い方 | 感情のトーン |
|---|---|---|
| 着いていく | 一緒に人生を歩む・行動を共にする | 実践的・前向き |
| 付いていく | 支える・信じて従う | 献身的・深い信頼 |
| 寄り添う | 相手の気持ちを受け止める | 優しく温かい |
| 共に歩む | 対等な関係で歩く | バランスが取れた表現 |
例文で比較
- 「これからもあなたに着いていくね。」
→ 行動・生活を共にする意志 - 「あなたの夢に付いていく。」
→ 応援・支援の気持ち - 「どんなときもあなたに寄り添っていたい。」
→ 感情的なぬくもり
【D】ネガティブな場面での言い換え(距離・限界を表す)
「付いていけない」は、日本語特有の“共感・理解の限界”をやわらかく伝える表現です。
ストレートに言いすぎないのが日本語らしいポイントです。
| 表現 | ニュアンス | 言い換え例 |
|---|---|---|
| 付いていけない | 理解・対応が難しい | 「理解できない」「共感できない」 |
| もう無理についていけない | 感情の断絶 | 「気持ちが離れた」「もう合わない」 |
| ペースに付いていけない | 能力やスピードが追いつかない | 「追いかけきれない」「遅れが出ている」 |
例文
- 「彼の考え方にはもう付いていけない。」(=共感できない)
- 「仕事の変化が速すぎて付いていけない。」(=適応できない)
- 「昔の友人の話題に付いていけない。」(=距離を感じる)
【E】まとめ|気持ちの距離で使い分けよう
| 感情の距離 | 自然な表現 | キーワード |
|---|---|---|
| 行動を共にする | 着いていく/一緒に行く/同行する | 物理的・協力 |
| 考え・方針に合わせる | 付いていく/歩調を合わせる/従う | 理解・適応 |
| 支え・共感を示す | 寄り添う/共感する/見守る | 優しさ・思いやり |
| 理解できない・距離を感じる | 付いていけない/ついていけない | 疲れ・限界・変化 |
「着いていく」を使う際の注意点
1. 「着いていく」は“物理的同行”が基本
「着いていく」は一緒に移動して目的地に到着するという行動を表します。
そのため、「考え」「意見」「感情」などの抽象的なものには使えません。
正しい使い方
- 「お母さんと学校まで着いていく。」
- 「友達のあとを着いていった。」
- 「会場まで着いていきますのでご案内ください。」
間違った使い方
- ×「上司の考えに着いていく」
- ×「時代の流れに着いていく」
→ どちらも“到着”がないため、「付いていく」が正解です。
判断ポイント:
「最終的に“どこかに着く”」イメージがあるなら“着いていく”、
そうでなければ“付いていく”を使いましょう。
2. 目的地を明確にすると自然に聞こえる
「着いていく」は到着点がある動作なので、
「どこへ」「どこまで」といった目的地を示す助詞を一緒に使うと自然です。
良い例
- 「駅まで着いていく」
- 「会場へ着いていく」
- 「先生の後を着いていく」
不自然な例
- ×「先生に着いていく」
→ “目的地”がないため曖昧。
→ 正しくは「先生の後を着いていく」または「先生と一緒に行く」。
「まで」「へ」「の後を」を組み合わせると文が安定します。
3. 目上の人には「同行」「ご一緒」を使う
「着いていく」は日常的な表現なので、ビジネスやフォーマルな場面では控えるのが無難です。
丁寧な言い換え
| カジュアル | 丁寧表現 | 使用場面 |
|---|---|---|
| 着いていく | ご一緒する | お客様・上司との移動 |
| 着いていく | 同行する | ビジネス文書・報告 |
| 着いていく | 案内する/付き添う | 接客・医療・サポート系 |
例文
- 「会場までご一緒します。」(◎)
- 「お客様を入口までご案内いたします。」(◎)
- 「会場まで着いていきます。」(△ 少しくだけた印象)
「同行」「ご一緒」は敬意を含むため、社内外どちらにも使いやすい表現です。
4. 「着いていく」は進行形で使いにくい?
実際の会話で「着いていっている」「着いていったりする」などの形を使うと、
やや重く聞こえる場合があります。
これは「着く(到達)」が一瞬の動作だからです。
不自然な例
- 「いま先生に着いていっているところです。」
→ “同行している最中”なら「一緒に行っている」が自然。
自然な言い換え
- 「先生と一緒に行っています。」
- 「同行しています。」
「着いていく」は“結果”を表す動詞なので、「進行中」では避けたほうが自然です。
5. 書き言葉では「ついていく」と平仮名もOK
ブログや日常文では、「着いていく」と漢字で書くと少し堅く感じる場合があります。
その場合は、**「ついていく」**とひらがなにすることで柔らかく読みやすくなります。
使い分けの目安
| 書き方 | 向いている文体 | 印象 |
|---|---|---|
| 着いていく | 正確な説明文・論文・公式文書 | やや堅め |
| ついていく | ブログ・会話文・SNS | 柔らかく自然 |
例:
- 「友達と駅までついていくね。」(自然・親しみやすい)
- 「目的地に着いていく動作を指す。」(説明的で明確)
6. 「着いていく」と「付いていく」を混同しやすい場面
次のようなシーンは、どちらの漢字も使えそうに見えるため、
文脈で判断するのがポイントです。
| シーン | 正しい表現 | 間違いやすい例 | 解説 |
|---|---|---|---|
| 旅行・移動 | 駅まで着いていく | × 付いていく | 目的地がある |
| 授業・理解 | 話に付いていく | × 着いていく | 理解・追随 |
| ビジネス方針 | 上司に付いていく | × 着いていく | 従属・共感 |
| 親子の送迎 | 学校まで着いていく | × 付いていく | 同行・移動 |
| 恋愛・感情 | あなたに付いていく | × 着いていく | 支える気持ち |
7. 相手との関係性で印象が変わる
「着いていく」は親しい人に対しては自然ですが、
目上の人や初対面の相手に使うと少し子どもっぽく聞こえることがあります。
例:
- 「社長、私も着いていきます!」(×ややカジュアル)
- 「社長、私も同行いたします。」(◎ 丁寧で自然)
同じ意味でも、語感が変わるだけで印象がガラリと違う点に注意しましょう。
8. 「着いていく」を避けたほうが良いケース
- フォーマルな依頼文・ビジネス報告(→「同行」「ご一緒」を推奨)
- 抽象的な対象(考え・意見・流れなど)
- 行動途中を説明するとき(進行中は「一緒に行く」)
まとめ|自然で丁寧に使うポイント
| チェック項目 | 正しい使い方 |
|---|---|
| 到着・同行を表す? | 「着いていく」 |
| 思想・感情を表す? | 「付いていく」 |
| 目的地を示している? | 「まで」「へ」「の後を」を補う |
| 相手が目上? | 「同行」「ご一緒」に言い換え |
| 書き言葉で柔らかくしたい? | ひらがな「ついていく」OK |
「着いていく」を英語で表現するには?
はじめに:英語では2種類の「ついていく」がある
日本語の「ついていく」は、「着く」と「付く」で意味が分かれます。
英語でも、これに対応する表現が異なります。
| 日本語 | 意味 | 主な英語表現 |
|---|---|---|
| 着いていく | 一緒に行く・同行する(物理的) | go with / come along / follow |
| 付いていく | 従う・合わせる(抽象的) | keep up with / follow / go along with |
「着いていく」=一緒に行く・同行する
「着いていく」は、人と一緒に移動して目的地に到着するイメージ。
英語では「go with」「come along」「follow」が最も近い表現です。
go with = 一緒に行く(最も一般的)
- 「友達と駅まで着いていく」
→ I’ll go with my friend to the station.
(=友達と一緒に駅へ行く) - 「私も着いていくね!」
→ I’ll go with you!
(=同行する・一緒に行くよ)
go with は日常会話で最も自然で、フレンドリーな印象です。
come along = 同行する(やや丁寧・誘いの響き)
- 「私も着いていこうかな?」
→ Maybe I’ll come along.
(=一緒に行こうかな) - 「良ければ着いてきてください。」
→ You can come along if you’d like.
(=同行を勧める丁寧な言い方)
“come along” はフォーマルにもカジュアルにも使える便利な表現です。
follow = 後を追う(物理的・比喩的どちらにも)
- 「先生の後を着いていく」
→ Follow the teacher.
(=先生のあとについて行きなさい) - 「地図の指示に従って着いていく」
→ Follow the directions on the map.
(=案内に従って進む)
“follow” は「先導者を追う」感覚。
日本語の「~の後を着いていく」にもっとも忠実です。
「付いていく」= 従う・追いつく(抽象的・心理的)
「付いていく」は、考え・スピード・方針に合わせるという意味。
英語では “keep up with” や “go along with” が近いです。
keep up with = 遅れずについていく
- 「授業のスピードに付いていけない」
→ I can’t keep up with the class. - 「時代の流れに付いていくのが大変」
→ It’s hard to keep up with the times.
“keep up with” は「努力して遅れないようにする」ニュアンス。
日本語の「付いていく」に非常に近い自然な言い方です。
go along with = 同意・賛同する
- 「上司の考えに付いていく」
→ I’ll go along with my boss’s idea.
(=上司の考えに賛同する/合わせる) - 「方針に付いていく」
→ I just go along with the policy.
(=方針に従う)
“go along with” は「その流れに乗る」「逆らわない」柔らかい従属表現。
follow(抽象的な従う)
- 「リーダーの指示に付いていく」
→ Follow the leader’s instructions. - 「流行に付いていく」
→ Follow the trends.
“follow” は文脈によって「着」と「付」の両方を表現できます。
実際の動作か、抽象的な従属かで使い分けます。
感情的な「付いていく」= 支える・信じて従う
恋愛や人間関係で「あなたに付いていく」と言う場合、
英語では “stand by you” や “be with you” が自然です。
- 「どこまでもあなたに付いていく」
→ I’ll stand by you no matter what.
(=何があってもあなたの味方でいる) - 「あなたの夢に付いていく」
→ I’ll be with you and support your dream.
(=夢を一緒に支える)
“stand by” は「そばにいる・支える」、
“be with you” は「共に歩む」温かい表現です。
ニュアンス別 早見表
| 日本語の意味 | 英語表現 | 使う場面 | ニュアンス |
|---|---|---|---|
| 一緒に行く | go with / come along | 友人・同行 | 同行・カジュアル |
| 後を追う | follow | 行動・道案内 | 先導者を追う |
| 理解・スピードに追いつく | keep up with | 授業・変化 | 遅れない努力 |
| 方針・考えに従う | go along with / follow | ビジネス・意見 | 同調・従属 |
| 支える・共に歩む | stand by / be with | 恋愛・信頼関係 | 感情的サポート |
よくある英訳ミスと修正文
| 誤った表現 | 正しい英訳 | 解説 |
|---|---|---|
| I’ll follow you to the meeting. | ✅ I’ll go with you to the meeting. | 「follow」は“後からついてくる”感じでビジネスでは不自然。 |
| I can’t go with the class. | ✅ I can’t keep up with the class. | 「go with」は同行、「keep up with」は追随。 |
| I’ll keep up with your dream. | ✅ I’ll stand by your dream. | “keep up”はスピードの話。感情は“stand by”。 |
ワンポイントまとめ
| 日本語表現 | 英語での自然な表現 |
|---|---|
| 駅まで着いていく | go with / come along |
| 先生の後を着いていく | follow the teacher |
| 授業に付いていく | keep up with the class |
| 上司の考えに付いていく | go along with my boss’s idea |
| 時代の流れに付いていく | keep up with the times |
| あなたに付いていく(支える) | stand by you / be with you |
よくある誤用・混同まとめと日本語表現のコツ
1. 「着いていく」「付いていく」は“目的”で選ぶ
まずは最も大切なルールです。
どちらを使うか迷ったときは、「目的が到着なのか/理解・共感なのか」で判断しましょう。
| 判断基準 | 正しい表現 | 例文 |
|---|---|---|
| 目的地に到着する(移動) | 着いていく | 「友達と駅まで着いていく」 |
| 考え・感情・スピードに合わせる(追随) | 付いていく | 「授業の内容に付いていけない」 |
簡単に覚えるなら:
「足でついていく」→ 着
「心でついていく」→ 付
2. 日常会話で多い誤用と正しい言い換え
| 誤用 | 正しい言い方 | 理由 |
|---|---|---|
| ×「時代に着いていくのが大変」 | 〇「時代に付いていくのが大変」 | 時代=抽象的対象(到着しない) |
| ×「話に着いていけない」 | 〇「話に付いていけない」 | 理解の話だから「付」 |
| ×「会社の方針に着いていく」 | 〇「会社の方針に付いていく」 | 行動・考えへの従属=付 |
| ×「子どもを学校まで付いていく」 | 〇「子どもを学校まで着いていく」 | 一緒に移動・到着=着 |
| ×「お客様を入口まで付いていく」 | 〇「お客様を入口までご案内する/着いていく」 | 接客なら丁寧語を推奨 |
3. フォーマル度で変わる自然な表現
「着いていく」「付いていく」はカジュアル寄りの言葉なので、
ビジネスや目上の人に対してはより丁寧な言い換えを使いましょう。
| 状況 | カジュアル | 丁寧な言い換え |
|---|---|---|
| 同行する(物理的) | 着いていく | ご一緒する/同行する |
| 方針・考えに合わせる | 付いていく | 従う/賛同する/歩調を合わせる |
| 気持ちを支える | 付いていく | 寄り添う/共感する/支援する |
たとえば:
- 「会場まで着いていきます」→「会場までご一緒いたします」
- 「上司の意見に付いていく」→「上司の意見に賛同します」
4. 表記(漢字 or ひらがな)の使い分け
書き言葉では、どちらの漢字も「ついていく」とひらがなで書くことがあります。
文体に応じて書き分けると自然です。
| 表記 | 向いている文体 | 印象 |
|---|---|---|
| 着いていく | 正確な説明文・レポート | 明確・硬い印象 |
| 付いていく | 論理的な文・考察文 | 理解的・冷静 |
| ついていく(平仮名) | 会話文・ブログ・柔らかい文章 | 優しく自然 |
例:
- 会話文:「私もついていくね!」
- 解説文:「『着いていく』は目的地に同行する意味である。」
5. 「いく」と「行く」も注意
「ついて行く」「ついていく」は、どちらも正しい表記です。
現代日本語では、ひらがな「いく」の方が一般的で、柔らかい印象になります。
| 表記 | 用途 | 補足 |
|---|---|---|
| ついて行く | 文章・硬めの印象 | 公用文・新聞などに多い |
| ついていく | 会話・日常的 | 現代では主流 |
どちらも誤りではありませんが、ブログや会話文では「いく」がおすすめです。
6. 似ているけれど違う表現にも注意
| 紛らわしい表現 | 意味 | 誤用しやすいポイント |
|---|---|---|
| 付き添う | 世話・看病・サポートする | 「着いていく」と似るが目的が“見守り” |
| 同行する | 一緒に行動する(フォーマル) | 「着いていく」の丁寧語 |
| 従う | 方針や命令に従う | 「付いていく」の硬い言い方 |
| 賛同する | 考えや意見に同意する | 感情的より理性的な表現 |
例:
- 「お客様に付き添う」=移動+サポートの両方を含む。
- 「上司に付いていく」=精神的な従属。
- 「上司に従う」=組織的・命令的。
7. よくある“微妙な違い”の使い分け早見表
| 目的 | 正しい漢字 | 例文 |
|---|---|---|
| 一緒に目的地へ行く | 着いていく | 「駅まで着いていく」 |
| 理解・対応する | 付いていく | 「授業に付いていく」 |
| 上司・方針に従う | 付いていく | 「会社の考えに付いていく」 |
| 迷子を案内する | 着いていく | 「子どもを入口まで着いていった」 |
| 感情を支える | 付いていく | 「彼に付いていく(=信じて従う)」 |
| 形式的に言い換える | ご一緒する/同行する | 「会場までご一緒します」 |
8. 誤用を防ぐ3つのチェックポイント
- 到着する場所があるか?
→ YES → 「着いていく」
→ NO → 「付いていく」 - 相手が人か、考えか?
→ 人と一緒に移動 → 「着」
→ 人の考えや感情に従う → 「付」 - フォーマル度はどうか?
→ カジュアル → 「着/付」OK
→ ビジネス・公的 → 「同行/ご一緒」がおすすめ
9. 自然で美しい日本語に仕上げるコツ
- 目的地・対象を明示する
→ 「先生の後を着いていく」「話に付いていく」など助詞を丁寧に使う。 - 文のトーンに合わせる
→ 柔らかい文章ならひらがな、「ついていく」で統一。 - 繰り返しを避ける
→ 同じ文内で2回以上使う場合、「同行する」「従う」などで言い換えると読みやすい。
まとめ|「着いていく」と「付いていく」を間違えないコツ
| ポイント | 覚え方 |
|---|---|
| 移動・到着を伴う | 着いていく(例:駅・会場) |
| 考え・感情に従う | 付いていく(例:意見・方針) |
| 目上の人には | ご一緒する/同行する |
| 柔らかく書きたいとき | ひらがな「ついていく」 |
| 英語での近い表現 | 着=go with/come along /付=keep up with/go along with |