
「業突く張り(ごうつくばり)」という言葉を、朝ドラ『風、薫る』で初めて聞いた方も多いのではないでしょうか。
普段あまり使わない言葉ですが、ドラマの中で使われると妙に印象に残りますよね。
なんとなく「欲張りっぽい意味かな?」とは想像できても、
・どんな意味?
・悪口なの?
・語源は?
・似た言葉とどう違う?
など、気になる部分も多い言葉です。
この記事では、「業突く張り」の意味や語源、使い方、類語との違いまで、わかりやすく解説します。
業突く張りとはどんな意味?
「業突く張り」とは、
・欲が深い人
・利益への執着が強い人
・自分の得を優先しすぎる人
を表す言葉です。
単なる「節約家」という意味ではなく、
「お金や利益への執着がかなり強い」
というニュアンスがあります。
そのため、褒め言葉ではなく、やや厳しめの表現として使われることが多いです。
読み方は?
「業突く張り」は、
「ごうつくばり」
と読みます。
漢字だけ見ると難しく感じますが、昔から使われている日本語表現のひとつです。
朝ドラ『風、薫る』で話題になった
最近では、朝ドラ『風、薫る』の中で使われたことで、
「どういう意味?」
「初めて聞いた」
と気になった人も増えました。
特に印象的だったのが、バーンズ先生がヒロイン・一ノ瀬りんに向けて語った、
「患者から感謝されて気持ち良くなりたいのはあなたの身勝手な欲です。看護とは何かよく考えなさい」
という厳しい言葉の場面です。
その流れの中で発せられた「業突く張り」という表現は、外国人の口から飛び出した意外性もあり、視聴者の印象に強く残りました。
現代ではあまり日常会話で聞かない古風な表現だからこそ、ドラマの空気感とも重なって話題になったのかもしれません。
ただ、このセリフの使い方は個人的には違和感を感じましたが。
業突く張りの語源とは?
「業突く張り」は、
・業(ごう)
・突く張る
が合わさった言葉とされています。
「業(ごう)」とは?
「業」は、もともと仏教由来の言葉です。
人間の欲や執着、行いなどを表す意味があり、
「欲深さ」や「強い執着」
をイメージする言葉として使われてきました。
「突く張る」とは?
「突く張る」は、
・無理に押し通す
・強引に主張する
という意味があります。
つまり、「業突く張り」は、
「欲深さを強引に押し通す人」
のような意味合いから生まれた言葉と考えられています。
業突く張りの類語との違い
「業突く張り」は、欲深さや自己中心的な印象を持つ言葉ですが、似た意味の言葉とは少しずつニュアンスが違います。
| 言葉 | 意味・ニュアンス |
|---|---|
| 業突く張り | 利益や欲への執着が非常に強く、自分の得を優先する人 |
| 強欲(ごうよく) | 非常に欲が深いこと。お金・地位・物などを強く求める |
| 欲深(よくぶか) | 際限なく欲しがること。一般的な「欲張り」に近い |
| 強情(ごうじょう) | 自分の考えを頑固に曲げないこと |
| 我田引水(がでんいんすい) | 自分に都合の良いようにばかりすること |
強欲との違い
「強欲」は、単純に“欲が非常に強い”状態を表す言葉です。
お金だけでなく、
・権力
・名誉
・地位
・物欲
など、さまざまな欲望に使われます。
一方、「業突く張り」は、
「利益への執着が強く、周囲から嫌な印象を持たれる人」
という“人物評価”に近い表現です。
欲深との違い
「欲深」は、「もっと欲しい」と際限なく求める様子を表します。
「欲張り」を強くしたような言葉ですが、「業突く張り」ほど強烈な古風さや皮肉感はありません。
そのため、
・欲深 → 比較的一般的
・業突く張り → 強い悪口寄り
という違いがあります。
強情との違い
「強情」は、欲深さではなく、
「自分の考えを曲げない頑固さ」
を意味します。
たとえば、
・謝らない
・意見を変えない
・素直になれない
といった場面で使われます。
「業突く張り」は“欲への執着”が中心なので、意味はかなり異なります。
我田引水との違い
「我田引水」は、
「自分に都合がいいように話や状況を持っていくこと」
を表す四字熟語です。
たとえば、
・自分だけ得するように話を進める
・都合のいい解釈をする
といった場面で使われます。
「業突く張り」にも自己中心的な意味はありますが、「我田引水」は“行動や考え方”に重点がある言葉です。
業突く張りは悪口?
基本的には、かなり強めの否定表現です。
そのため、
・冗談っぽく使う
・親しい間柄で使う
ことはあっても、日常で気軽に使う言葉ではありません。
特に、
・目上の人
・仕事関係
・初対面の相手
には避けた方が無難です。
現代では少し古風な響きもあるため、ドラマや小説で使われると印象に残りやすい言葉でもあります。
業突く張りの使い方・例文
実際には、次のように使われます。
・あの人はかなり業突く張りだ
・値引き交渉ばかりして業突く張りと思われた
・利益優先すぎて業突く張りに見える
かなり強い表現なので、使う場面には注意が必要です。
現代でも使う言葉?
若い世代の日常会話では、そこまで頻繁には使われません。
ただ、
・時代劇
・昭和風のドラマ
・小説
・ネット記事
などでは今でも見かけます。
意味のインパクトが強いため、「古いけれど伝わる言葉」として残っている表現と言えそうです。
よくある質問
業突く張りは方言ですか?
一般的な日本語表現で、特定地域の方言ではありません。
業突く張りは死語ですか?
昔より使用頻度は減っていますが、ドラマや小説では今でも使われています。
女性にも使いますか?
男女関係なく使われます。
業突く張りと欲張りの違いは?
「欲張り」は比較的やわらかい表現ですが、「業突く張り」はもっと強い否定的ニュアンスがあります。
まとめ
「業突く張り」は、
・欲が深い
・利益への執着が強い
・自分の得を優先しすぎる
人を表す言葉です。
朝ドラ『風、薫る』で聞いて気になった方も多いかもしれませんが、意味を知るとかなりインパクトの強い表現だとわかります。
また、「強欲」「欲深」「我田引水」など似た言葉と比較すると、「業突く張り」は“欲への執着”や“嫌な印象”まで含む強い表現であることが見えてきます。
現代では少し古風な言葉になりつつありますが、だからこそドラマで使われると印象に残るのかもしれませんね。