スーパーや通販で「1等米使用」などと表示されているのを見たことはありませんか?
でも「等級」って何を基準に決まってるの?2等米・3等米はまずいの?と思った方も多いはず。
この記事では、お米の等級制度のしくみと、味・価格・選び方への影響についてわかりやすく解説します!
等級とは?|お米の品質を国が定めるランク制度を徹底解説!
● 等級は「農産物検査法」に基づいて決められる国家基準
お米の「等級」は、農林水産省の定めた「農産物検査法」に基づく、
正式な品質ランク付け制度です。
目的は、
- 生産者の品質向上の努力を反映する
- 消費者が安心してお米を選べる
- 適正な価格で流通を行うための基準づくり
といった、公正な流通の仕組みを支えるためにあります。
● 誰が検査しているの?どこで等級が決まるの?
お米の等級は、都道府県ごとの登録検査機関や農協、全農の検査員が検査します。
これらの機関は国に登録されており、専門の研修を受けた「農産物検査員」が判断を下します。
等級がつくのは「検査を正式に受けた米」のみであり、未検査米には表示できません。
● 等級を決める4つの検査基準
等級は以下の4つのポイントで評価されます:
評価項目 | コンテンツ |
---|---|
① 整粒割合 | 割れていない・形が整った粒の割合(1等=70%以上) |
②水分含有量 | 適正な水分量かどうか(14.5%が基準) |
③ 被害粒の割合 | 虫食い・病害などの影響を受けた粒の混入率 |
④ 着色粒・異物の有無 | 黒ずみ・赤米・異物の混入の有無 |

見た目・安全性・保存性のすべてを評価する“プロの目”が入るため、等級=品質の証明といえます。
● 等級表示の義務はあるの?
いいえ、表示は任意(任されている)です。
ただし、農産物検査を受けていない米に「1等米」などと記載するのは法律で禁止されています(景品表示法・不正競争防止法などに抵触)。



ネット通販などで「等級表示なし」の商品は、“未検査米”の可能性もあるため注意!
● どんなお米に等級がつけられているの?
- JA(農協)を通じて流通するお米
- 生産者が直接出荷する特定米(特A米など)
- ブランド米(コシヒカリ・つや姫・あきたこまちなど)
また、ふるさと納税の返礼品や高級米ギフトなどで「1等米」と表示されているのは、検査済で高品質な証として利用されています。
等級表示は「美味しさ」だけじゃなく「信頼」の証
「等級」は見た目や品質の評価ですが、それはすなわち、
- 丁寧に育てられた
- 適切に保管・管理された
- 信頼できる生産体制がある
という、食の安心につながる“目に見える評価でもあります。
等級の種類と基準|1等米・2等米・3等米の違いを詳しく解説!
等級は、玄米状態での「見た目の品質評価」で決まります
ここでの「お米」はすべて玄米(白米になる前)のことです。
検査対象は主に以下の4つ:
- 整粒の割合
- 水分含有量
- 被害粒・異物の混入率
- 着色粒(黒い粒・赤い粒)などの状態
1等米とは|「最も優れた状態」のお米
基準項目 | 状態 |
---|---|
全て | 70%以上(=割れや欠けのない米が7割以上) |
水分含有量 | 14.5 |
被害者粒子 | ほぼなし(0.1%未満) |
着色粒子 | ごくわずか(ほぼ透明な粒) |
特徴
- 見た目が最も美しく、粒ぞろい
- 炊き上がりがふっくら均一で甘みも安定
- 銘柄米のブランド価値を守るためにも「1等米」が基準とされることが多い
こんな人におすすめ
- ご飯の味・見た目にこだわる方
- 贈答用・ふるさと納税・外食産業など「品質最優先」の用途向け
2等米とは|やや粒の乱れがあるお米
基準項目 | 状態 |
---|---|
整粒割合 | 60%以上70%未満 |
水分含有量 | 適正範囲 |
被害粒 | 多少あり(0.3%程度まで) |
着色粒子および異物 | やや混在することもあるが、炊飯に影響しない程度 |
特徴
- 多少割れた米や小粒が混ざっているが、食味には大きな差が出にくい
- 炊き方や浸水時間を工夫すれば、1等米に近い炊き上がりになることも
こんな人におすすめ
- 家計重視/日常使いにお米をたくさん消費するご家庭
- ブレンド米・業務用としてもコスパ重視で選びたい人
3等米とは|やや品質にばらつきのあるお米
基準項目 | 状態 |
---|---|
整粒割合 | 45%以上60%未満 |
水分含有量 | 基準範囲内であればOK |
被害者粒子 | やや多め(最大0.7%まで) |
着色粒子および異物 | 黒点・赤米がやや目立つこともある |
特徴
- 米の粒に割れ・欠けが多く、色もまばら
- 炊き上がりが均一でないこともあるが、チャーハン・雑炊など料理用なら十分活用可能
こんな人におすすめ
- とにかく安くお米を買いたい方
- 加工用(おにぎり・雑炊・スープごはんなど)として使う人
- 割れ米も気にならない家庭/炊飯器でしっかり調整できる人
規格外(等外米)とは?
検査基準を満たさなかったお米で、以下のようなケースに多いです:
- 異常発酵・強い被害粒・異物混入
- 異常な乾燥・水分不足(保管状態が悪い)
- 大量の割れ米・くず米
→ 通常は加工用(米粉・煎餅など)や飼料用として流通します。
通販で極端に安い米は、規格外米ブレンドの可能性も。
等級による味の違いはあるの?
実は、2等米と1等米の味の違いはほとんど分からないことも多いのが事実です。
ただし、
- 割れ米が多いとベチャつきやすい
- 見た目に混ざりが多いと印象が悪くなる
- 炊飯時の水分調整が難しくなる場合がある
といった違いはあります。
等級の見分け方・購入時のチェックポイント
- パッケージ裏に「農産物検査済」「1等米使用」など明記されているか
- 等級のない商品=未検査米の可能性あり
- 精米業者名や検査日、産地の記載も合わせてチェック!
ワンポイントまとめ:等級ごとの“向いている使い方”
等級 | 向いている用途 | ポイント |
---|---|---|
1等米 | ご飯メインの料理・ギフト・外食 | 見た目・味ともに安定 |
2等米 | 日常用・まとめ買い・ブレンド米 | 味とコスパのバランス◎ |
3等米 | 加工・業務用・チャーハンなど | 割れ米が気にならなければOK |


お米の等級は「見た目」と「一定の品質」を判断する基準。
ですが、味の感じ方・食感・炊き方・調理法で評価は変わることが多く、
必ずしも「1等米=最も美味しい」とは限りません。
あなたの暮らし・お財布・味の好みにあった“ちょうどいい等級”を見つけることが、賢いお米選びのコツです!